1978年に「チェリーF-Ⅱ」の後継車種としてデビューした日産自動車のコンパクトカー「パルサー」は、1986年5月に4年ぶり2度目のブルモデルチェンジを受け、3代目N13型に移行しました。クーペが「エクサ」として独立しバリエーションから外れた一方で、量販車世界初のフルタイム4WDシステム「フルオート・フルタイム4WD」採用車が設定された事がトピックとなりました。
ボディは3タイプに
ボディタイプは3ドアハッチバック/5ドアハッチバック/4ドアセダンの3タイプとなり、スタイリングは直線基調のプレーンなフォルムが踏襲されました。ボディサイズは、全長4,030mm(ハッチバック)/4,215mm(セダン)×全幅1,640mm×全高1,380mmで、全高を除き先代から一回り拡大されました。又、ホイールベースは15mm延長され2,430mmとなりました。
サスペンション形式はフロントはストラット式が踏襲され、リアはトレーリングアーム式からパラレルリンク・ストラット式に変更されました。駆動方式は当初は従来同様FFのみの設定で、エンジンは先代から1.3L直4SOHCシングルキャブのE13S型、1.5L直SOHCシングルキャブのE15S型、同EGIのE15E型のガソリン3種類と、1.7L直4SOHCディーゼルのCD17型がキャリオーバーされました。
ターボに代わりDOHCエンジンを設定
1.5LターボのE15ET型は廃止され、代わって1.6L直4DOHCガソリンEGIのGA16DE型が設定されました。最高出力/最大トルクは、E13S型が67ps/10kgm、E15S型が73ps/11.8kgm、E15E型が82ps/12.5kgm、GA16DE型が120ps/14kgm、CD17型が55ps/10.6kgm(いずれもネット値)でした。
トランスミッションは、1.6L車に5速MTと4速トルコン式ATが、それ以外に5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。グレード体系は、ハッチバックには下からV1/M1/ミラノX1/ミラノX1-E/J1/ミラノX1ツインカムが、セダンにはV1/M1/J1/スーパーエクセレンス/スーパーエクセレンスE/J1-E/X1ツインカムがラインナップされました。
そして1987年1月、3ドアハッチバックにフルタイム4WDグレード「ミラノX1-Eトリプルビスカス4WD」が追加されました。次いで1988年4月のマイナーチェンジにより、1.5L車のエンジンが直4SOHC電子制御キャブのGA15S型(最高出力85ps/最大トルク12.5kgm)及び同EGIのGA15E型(最高出力97ps/最大トルク13.1kgm)に置換されました。
同時に、3ドアハッチバックの新グレードとして「M1’M」と、ボディを軽量化すると共にクロスレシオ5速MTを採用したラリー競技ベース車両「R1ツインカム」が追加されました。次いで1990年1月、3ドアハッチバック/4ドアセダンに新グレード「トレンダ」シリーズが追加されました。そして同年8月にフルモデルチェンジが実施され、4代目N14型に移行しました。