日産自動車は1999年9月、1997年の東京モーターショーに出展したコンセプトモデルをベースにした軽乗用車規格のEV「ハイパーミニ」を発表、翌2000年2月に販売を開始しました。他社の軽規格EVがガソリン車のボディを流用するケースが大半であったのに対し、専用設計のプラットフォームやボディが採用された事が特徴でした。
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全長の短いボディを採用
ボディタイプは2人乗りの3ドアハッチバックで、モノフォルム風のプロポーションと張り出した前後フェンダーを備えていました。又、ボディはアルミスペースフレーム構造を採用する他、パーツには樹脂が多用され軽量化が図られていました。ボディサイズは全長2,665mm×全幅1,475mm×全高1,550mmで、一般的な軽自動車よりも全長が70cm以上短く設定されていました。
ディメンションとしてはドイツ製のマイクロカー、初代「スマート」に類似したものでした。車両重量は840kgで、ガソリンエンジン搭載の軽ハイトワゴンと同程度でした。サスペンション型式は4輪ストラット式独立懸架で、ブレーキはフロント:ベンチレーテッドディスク式/リア:ディスク式が採用されると共に、ABSが標準装備されました。
モーターをリアミッドに搭載
タイヤはフロント:145/65R14・リア:165/60R14と前後で幅の異なるランフラットタイヤ(※国産車初)が装着され、ステアリングは車速感応式パワーアシストが備わるラック&ピニオン式が採用されました。モーターは、ネオジウム磁石採用の同期型がリアミッドシップマウントされ、49:51という理想的な前後重量配分を実現していました。
スペックは最高出力24kW(33ps)/最大トルク13.3kgmで、変速機を介さず直接後輪を駆動、最高速度100km/hの性能でした。バッテリーは90Ahの容量を持つリチウムイオン式で、当時の国内規格に則った200Vの専用インダクティブ(非接触電磁誘導方式)充電器利用による一充電走行距離は、10.15モードで115kmでした。
CO2排出量は同クラスのガソリン車の約1/4と環境性能に優れる他、1kmの走行に掛かる費用は約1円で経済性にも優れていました。その他、バンパーなどの部品は使用済み部品から樹脂を分離の上再利用して製造されるなど、リサイクル化への配慮も行われていました。
車両価格は充電器込で400万円と、現在の軽規格EV「三菱・i-MiEV」の2倍近い高価なもので、補助金制度を利用しても250万円程の出費が必要でした。その為、販売対象は法人・一般ユーザーを問わなかったものの、官公庁が主要なユーザー層となりました。2002年に販売終了となるまでの総生産台数は、およそ350台に留まりました。
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