フォードは1988年、提携関係を結んでいたマツダとの共同開発による4シータースポーツクーペ「プローブ」を発売しました。メカニズムの設計は主にマツダが担当し、プラットフォームは「カペラ」や「MX-6」などと共通の「マツダGDプラットフォーム」が採用された一方、ボディワークはフォードが担当しました。
優れた空力特性を実現
ボディタイプはハッチゲートが備わる3ドアクーペで、フォード社内デザインによるエクステリアは、リトラクタブルヘッドランプやラップアラウンドウィンドウ採用による流麗なフォルムが特徴でした。同時に、Cd値0.304~0.32の優秀な空力特性を実現していました。ボディ・ディメンションは全長4,496mm×全幅1,740mm×全高1,316mm、ホイールベース2,515mmでした。
ホイールベースは同じクーペタイプのMX-6と同一となる一方、ボディはよりワイド&ローなディメンションとなっていました。サスペンション形式はMX-6同様の4輪ストラット式で、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が採用されました。又、駆動方式もMX-6同様にFFのみの設定でした。
フォード プローブのCM
新車情報’88 フォード プローブGT
エンジンはマツダ製とフォード製を用意
エンジンは、マツダ製2.2L直4SOHCのF2型NA仕様(最高出力112ps/最大トルク17.9kgm)及びターボ仕様(最高出力147ps/最大トルク26.3kgm)、並びにフォード自製3L V6OHV NA仕様の「バルカン」(最高出力142ps/最大トルク22.1kgm)が用意されました。トランスミッションは5速MTの他、F2型エンジン搭載車には4速トルコン式ATが設定されました。
動力性能は、F2型NAエンジン搭載車が最高速度190km/h、同ターボエンジン搭載車が最高速度211km/h・0-60mph加速7.3s、バルカンエンジン搭載車が最高速度209km/h・0-60mph加速8.2sでした。グレード体系は「GL」「LX」「GT」の3タイプで、GTには2.2Lターボエンジンが搭載された他、ABSが標準装備されました。
その後大きな仕様変更のないまま販売が続けられ、1992年にフルモデルチェンジを受け2代目モデルにバトンタッチされました。初代プローブは、日本市場には1988年9月に初上陸を果たしました。グレードはF2型NAエンジン+4速AT搭載のLXと、F2型ターボエンジン+5速MT搭載のGTの2タイプで、いずれも左ハンドル仕様のみの設定でした。
装備面では、両グレードにクルーズコントロールや運転席パワーシートが、更にGTにはエアロパーツや15インチアルミホイール、サンルーフが標準装備されました。その後1990年4月に仕様変更が実施され、LXのエンジンがバルカンに置換されると共に、GTのトランスミッションが4速ATに変更されました。更に両グレードにレザーシートが採用されるなど、装備の充実化が図られました。
後継モデル:2代目プローブ