初代モデルが1989年4月にリリースされたいすゞ自動車のSUV「ミュー」は、1998年6月に9年ぶりにして初のフルモデルチェンジが実施され、2代目モデルに移行しました。先代から基本コンセプトを踏襲しながらも、フレームや内外装デザインが一新されたほか、エンジンも変更されました。
2種類のルーフを用意
ボディタイプは3ドアのみで、先代同様5ドアは用意されなかった一方、ルーフの仕様が異なる「オープントップ」と「レジントップ」の2タイプが設定されました。スタイリングは、先代よりも抑揚を抑えた大人しいものとなりました。また、乗車定員は先代が2人または4人であったのに対し、5人乗りとなり実用性が向上しました。
初期型のボディサイズは全長4,250mm×全幅1,785~1,815mm×全高1,750mmで、先代から一回り拡大されました。また、ホイールベースも130mm延長され2,460mmとなりました。サスペンション形式は、フロントはブルウィッシュボーン/トーションバー式が踏襲された一方、リアは古典的なリジッド・リーフ式から5リンク/コイル式に変更されました。
駆動方式は先代同様パートタイム4WDのみの設定で、エンジンは当初、先代の3.1L直4OHVディーゼルターボに代わり、3L直4DOHCディーゼルターボの4JX1型(最高出力145ps/最大トルク30kgm)が搭載されました。トランスミッションは5速MTが廃止され、全車4速トルコン式ATとの組み合わせとなりました。ブレーキは先代後期型同様、全車に4輪ベンチテーテッド・ディスク式が採用されました。
M/Cで一部モデルのエンジンを置換
当初のグレード体系は、レジントップ仕様の「3.0タイプS」「3.0タイプX」と、オープントップ仕様の「3.0オープントップ」の3タイプのラインナップでした。その後2000年5月にマイナーチェンジが実施され、エクステリア面ではバンパーやリアコンビネーションランプの意匠が変更されるとともに、マルチリフレクターヘッドランプが採用されました。
一方インテリア面は、メーターやシート形状の変更、チタン調パネルの追加が行われました。それと同時に、オープントップ仕様のエンジンが3.2L V6DOHCガソリンNAの6VD1型(最高出力215ps/最大トルク30kgm)に置換され、グレード名が「3.2オープントップ」となりました。また、レジントップ仕様はグレードが「3.0レジントップ」に一本化されました。
そして2002年、同社のSUV事業からの撤退に伴い国内販売が終了となりました。一方でアメリカへの輸出は継続されたものの、それも2005年をもって終了となりました。
先代モデル:初代いすゞ ミュー
関連:ミューウィザード