富士重工業は2008年6月、3列シート7人乗り仕様の新型ミニバン「スバル・エクシーガ」を発売しました。2001年から2004年にかけて販売された「スバル・トラヴィック」が「オペル・ザフィーラ」のOEMであったのに対し、同社オリジナルの設計が採用されたことが特徴でした。エンジンは得意の水平対向4気筒で、フルタイム4WD仕様も設定されるなどスバル車らしい特徴を備えていました。
まず2L NA/ターボエンジンを用意
ボディタイプはオールヒンジ式ドア採用の5ドアで、ステーションワゴンに近い2ボックス型のフォルムが備わっていました。ボディサイズは全長4,740mm×全幅1,775mm×全高1,660mmの3ナンバーサイズで、主力モデル「スバル・レガシィツーリングワゴン」よりも一回り大きいディメンションでした。また、ホイールベースもそれよりも70mm長い2,750mmに設定されていました。
サスペンション形式は、フロントにマクファーソンストラット式、リアにダブルウィッシュボーン式が採用されました。駆動方式はFFと前述のフルタイム4WDが設定され、エンジンは当初、2Lフラット4DOHC NA(最高出力148ps/最大トルク19.5kgm)および同ターボ(最高出力225ps/最大トルク33.2kgm)の2種類が用意されました。
トランスミッションは前者には4速の、後者には5速のトルコン式ATが組み合わせられました。安全装備はABSとSRSデュアルエアバッグシステムが標準で備わり、オプションでSRSサイド&カーテンエアバッグシステムが用意されました。当初のグレード体系は、下からNAエンジン搭載の「2.0i」「2.0i-L」「2.0i-S」と、ターボエンジン搭載の「2.0GT」がラインナップされました。
スバル エクシーガのCM
EyeSight(アイサイト)搭載車を設定
その後2009年9月に一部改良が実施され、足回りのセッティングが変更されるとともに、2.0i-Sおよび2.0i-LのトランスミッションがCVT「リニアトロニック」に置換されました。さらに、ステレオカメラ方式による衝突被害軽減ブレーキ「EyeSight(アイサイト)」を採用した新グレード「2.0GTアイサイト」が設定されました。
追って同年11月には、2.0GTをベースに専用の内外装やサスペンション、スポーツマフラー等を採用したSTIチューンの特別仕様車「2.0GT tuned by STI」が設定されました。さらに翌12月、2.5Lフラット6SOHC NAエンジン(最高出力170ps/最大トルク23.4kgm)+リニアトロニックを搭載する新グレード「2.5i-S」および「2.5i-Sアルカンターラセレクション」が追加されました。
新世代2.5Lエンジンを設定
次いで2010年8月に一部改良が実施され、2.0iにもリニアトロニックが採用されました。続いて2011年6月の一部改良では、内外装デザインの変更や仕様向上が図られました。次いで2012年7月にマイナーチェンジが実施され、2.5Lエンジンがレガシィと共通の新世代ユニット(最高出力173ps/最大トルク24kgm)に変更されるとともに、リニアトロニックが改良型に変更されました。
同時にさまざまな仕様向上も図られたほか、新世代の「EyeSight2」を採用するグレード「2.0GTアイサイト」「2.0GTアイサイト アルカンターラセレクション」「2.5iアイサイト」「2.5iアイサイト アルカンターラセレクション」が設定されました。続いて2014年7月に最後の一部改良が実施され、内外装の変更とともにラインナップの整理が行われました。
そして2015年3月に生産を終了、翌4月にビッグマイナーチェンジ版の「スバル・エクシーガクロスオーバー7」がリリースされました。