1960年に商用車「ハイゼット」により軽4輪車市場に参入したダイハツ工業は、1966年11月に同社の軽4輪自動車第2弾であると同時に、初の4輪乗用車ともなる「フェロー」を発売しました。全般的に手堅い設計でまとめられていた一方、足回りには先進的な4輪独立懸架が採用されました。また、追ってユニークなバギーモデルもラインナップに加えられました。
「プリズムカット」のスタイリングが特徴
ボディタイプは、乗用モデルの2ドアセダンのほか、商用モデルの3ドアバンや2ドアピックアップトラックも生産されました。スタイリングは、「プリズムカット」と呼ばれる直線基調のスクエアなフォルムが採用されたほか、当時の国産車として唯一の角型2灯式ヘッドランプが備わっていました。ボディサイズは、当時の軽自動車規格に準じた全長2,990mm×全幅1,285mm×全高1,350mmでした。
駆動方式は、ライバルの「スズキ・スズライトフロンテ」がFF、「スバル・360」や「マツダ・キャロル」がRRを採用していたのに対し、「三菱・ミニカ」と同様のコンベンショナルなFRが採用されました。フロントに搭載されるエンジンは、ハイゼット用の空冷2ストローク360cc直2のZL型をベースに水冷化したZM型が採用されました。
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最高出力を32psまで高めた高性能版「SS」を追加
初期型の最高出力は当時の軽自動車として最強の23psで、4速MTを介しての動力性能は最高速度100km/h・0-200m加速15.7sでした。サスペンション形式は、フロントにダブルウィッシュボーン/コイル式が、リアにはユニークなダイアゴナル・スイングアクスル/コイル式が採用されました。
乗用モデルのグレード体系は、当初「デラックス」と「スーパーデラックス」の2タイプのラインナップだったものの、翌1967年に廉価版の「スタンダード」が追加されました。さらに1968年には、前年に登場した高性能な「ホンダ・N360」に対向すべく、ソレックス・ツインキャブレターの装備や圧縮比アップなどにより最高出力を32psまで高めた「SS」が追加されました。
最高速度は115kmに向上し、0-200m加速タイムも13.2sに短縮されました。また、2本出しマフラーやブラック仕上げのインテリアなどの採用により、差別化が図られていました。次いで1969年にマイナーチェンジが実施され、フロントグリルの意匠が一新されるとともに、フロントウィンカーの位置がバンパー上からバンパー下に移設されました。
また、標準のシングルキャブレター仕様エンジンの最高出力が26psに高められたほか、インテリア面ではシートにヘッドレストが装着されました。そして1970年4月にフルモデルチェンジが実施され、2代目モデルに移行しました。一方同年同月、初代フェローのシャシーに、ドアや固定ルーフを持たないFRP製専用ボディを架装した「フェローバギィ」が100台限定で発売されました。
後継モデル:フェローMAX/MAXクオーレ
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