三菱自動車工業は2000年2月、1992年にリリースされた3代目「デボネア」の後継モデルとなるプレミアムセダン「プラウディア」を発売しました。当時業務提携を結んでいた韓国のヒュンダイ社との共同開発により誕生したモデルで、アッセンブリーは日本国内で行われました。しかし、リコール隠し問題による業績悪化のため、発売からわずか1年ほどで生産終了となりました。
エンジンはGDI仕様2種類を用意
ボディタイプはデボネア同様4ドアセダンのみの設定で、スタイリングはヒュンダイ版の姉妹車種「エクウス」と基本的に共通のコンサバティブなイメージにまとめられていました。また、衝突安全ボディ「RISE」が採用されたことが特徴となっていました。ボディサイズは全長5,050mm×全幅1,870mm×全高1,475mmで、デボネアから75mm×55mm×35mm拡大されました。
また、ホイールベースも85mm延長され2,830mmとなりました。駆動方式はデボネア同様FFのみの設定で、エンジンは3.5L V6DOHC GDI仕様の6G74型(最高出力240ps/最大トルク35kgm)と、4.5L V8DOHC GDI仕様の8A80型(最高出力280ps/最大トルク42kgm)の2種類が用意されました。ともに、平成12年排出ガス規制に適合していました。
組み合わせられるトランスミッションは、「INVECS-Ⅱ」と呼ばれるマニュアルモード付5速トルコン式ATのみの設定でした。また、サスペンション形式はデボネア同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:マルチリンク式が踏襲され、ブレーキも同様に4輪ベンチレーテッド・ディスク式が採用されました。
充実した安全装備
室内は前席セパレートシートの5人乗り仕様のみの設定で、インパネやセンターコンソールにはウッドがあしらわれていました。安全装備面としては、SRSデュアル&サイドエアバッグシステムやプリテンショナー&ロードリミッター付シートベルト、ABSなどが採用されました。グレード体系は、下から3.5Lエンジン搭載の「A仕様」「B仕様」と、4.5Lエンジン搭載の「C仕様」の3タイプのラインナップでした。
快適・豪華装備面では、全車に前後席パワーシートやレザーステアリングホイール、クルーズコントロール、CDチェンジャー付カーオーディオシステムなどが標準装備されたほか、さらにB/C仕様にはカーナビゲーションシステムが装備されました。一方、レザーシートは全車オプション扱いとなっていました。
また、最上級グレードのC仕様には、車間距離制御機能やレーン逸脱警報などから構成される「ドライバーサポートシステム」がオプション設定されました。そして前述の理由により翌2001年3月をもって販売を終了、三菱自動車のトップモデルとしての役割は1クラス下の「ディアマンテ」が担うこととなりました。