1998年1月に、「ユーノス・ロードスター」は登場から9年ぶりにフルモデルチェンジを受け、同時に車名が「マツダ・ロードスター」に代わりました。これは、販売チャンネルの合理化により既にユーノス店が廃止されていた為、モデルチェンジを機に冠名が変更されたものです。
ボディの基本的なシルエットは先代に類似したものでしたが、対人衝突時の安全性確保の為、ヘッドランプをリトラクタブルタイプから固定式に変更した事で、フロントマスクのイメージは大きく変わりました。ボディサイズは全長3,955mm×全幅1,680mm×全高1,235mmで、先代とほぼ同じ大きさが保たれていました。
2,265mmのホイールベースは先代と同一で、4輪ダブルウィッシュボーン式のサスペンションも踏襲されました。車両重量は、ボディ剛性の強化や安全装備の充実を図った為、先代よりも30kg~40kg重くなり、1,010kg~1,060kgとなりました。パワートレイン関連では、先代で一旦廃止された1.6Lモデルが復活し、1.8Lモデルとの2本立てとなりました。
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エンジンをパワーアップし、安全装備を充実
エンジン型式は1.6LはB6型、1.8LはBP型で先代と同じものでしたが、パワーアップが図られ、最高出力と最大トルクはそれぞれ125ps/14.5kgm、145ps/16.6kgmとなりました。トランスミッションは、1.6Lには5速MTと4速トルコンATが、1.8Lにはロードスター初となる6速MTと4速トルコンATが用意されました。
装備面では、全グレードにデュアルSRSエアバッグシステムを標準装備すると共に、ATモデルには4W-ABSが装備されるなど、安全性の強化が図られました。又、よりスポーティな新グレード「RS」が設定され、ビルシュタイン製ダンパーやフロントサスタワーバー、15インチアルミホイールなどの装備により差別化が図られました。
2代目ロードスターのCM
ロードスターのプロモーションビデオ
1.8Lエンジンを改良、クーペやターボモデルを追加
2000年7月にマイナーチェンジを実施し、内外装の一部変更が行われた他、1.8LモデルのBP型エンジンに可変バルブタイミング機構「S-VT」を採用し、最高出力と最大トルクはMTモデルが160ps/17.3kgmへ、ATモデルが154ps/17kgmへと向上しました。次いで、2003年9月の一部改良の際に、流麗なクローズドボディを持つ「ロードスタークーペ」が派生モデルとして追加されました。
2004年2月には、BP型にターボチャージャーを装着した「ロードスターターボ」が350台限定で発売されました。最高出力と最大トルクは170ps/21.3kgmとなり、NAモデルよりも大幅なパワーアップを果たしていました。トランスミッションは6速MTのみが用意され、車両重量はやや重くなり1,120kgでした。専用エアロパーツの装備により、外観からNAモデルと識別する事が可能でした。
このターボモデルは、動力性能は優れていたものの、ロードスターの本筋からは乖離したキャラクターであった為、カタログモデル化される事も次代以降のモデルでラインナップされる事もなく、ロードスター史上唯一かつ稀少なターボエンジン搭載モデルとなりました。