BMWが製造するミニ・ファミリーのクロスオーバーSUV「ミニ・クロスオーバー」は、2010年1月に欧州で「ミニ・カントリーマン」の車名でデビューし、日本では翌2011年1月に販売が開始されました。歴代ミニシリーズで初となる5ドア車であると同時に、初の3ナンバー車ともなりました。又、フルタイム4WD車が設定されたミニシリーズ最初のモデルでもありました。
ボディ形状は6ライトウィンドウの5ドアハッチバックで、スタイリングは丸型2灯式ヘッドランプや台形フロントグリルの採用などにより、ミニならではデザインポリシーが受け継がれました。ボディサイズは全長4,105~4,120mm×全幅1,790mm×全高1,550mmで、それまでのミニシリーズ各モデルより一回り以上大きく、ホイールベースも最長の2,595mmに設定されました。
日本仕様は全高をローダウン
尚、欧州仕様の全高は1,561mmとなるものの、日本仕様は立体駐車場への入庫に配慮し、専用ルーフアンテナやサスペンションの採用によりローダウンが図られています。車両重量は1,320~1,480kgで、サスペンション形式は他のミニシリーズ同様の前:マクファーソンストラット式/後:マルチリンク式が踏襲されました。駆動方式はFFの他、アクティブトルクスプリット式のフルタイム4WDが設定されます。
発売当初日本仕様に用意されたエンジンは1.6L直4ガソリンユニットのみで、「ONE」と「クーパー」にNA仕様が、「クーパーS 」にターボ仕様が搭載されました。スペックは、「ONE」が最高出力98ps/最大トルク15.6kgm、「クーパー」が最高出力122ps/最大トルク16.3kgm、「クーパーS」が最高出力184ps/最大トルク24.5kgmで、トランスミッションは全グレードに6速トルコン式ATと6速MTが設定されました。
又、他のミニシリーズ同様、ブレーキエネルギー回生システムやアイドリングストップ機構(MT車のみ)も装備されました。インテリアは、2代目ミニシリーズに共通するセンターメーター採用のインパネが備わります。そして2013年1月に、1.6Lターボユニットを最高出力218ps/最大トルク28.6kgmまでチューンナップして搭載する「JCW(ジョンクーパーワークス)」が追加されました。
ディーゼル車を追加
次いで同年9月に、それまで「クーパーS」と「JCW」のみに設定されていたフルタイム4WD車が、「クーパー」にも設定されました。続いて2014年9月にマイナーチェンジを実施し、内外装デザインを一部変更すると共に、2L直4ディーゼルターボエンジンを搭載する新グレード「クーパーD」及び「クーパーSD」が追加されました。
エンジンのスペックは、前者が最高出力112ps/最大トルク27.5kgm、後者が最高出力143ps/最大トルク31.1kgmで、トランスミッションは6速ATのみの設定となっています。同時に、「クーパーS」はカタログ落ちしました。