フォルクスワーゲンのCセグメントハッチバック車「ゴルフ」は、1974年に初代モデルがデビューし、2012年9月に発表され7代目となりました。優れた操縦安定性や乗り心地などトータルバランスの良さから、このクラスのベンチマークとして世界中のメーカーから目標とされる存在になっています。日本には2013年6月から導入され、同社随一の人気モデルとなっています。
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新プラットフォームとワイド&ローなボディ
ボディはゴルフ伝統の太いCピラーを備える4ライトで、欧州では5ドアの他3ドアもラインナップされるものの、日本には5ドアのみが導入されます。スタイリングは如何にもゴルフらしい機能美を踏襲しながら、先代よりもシャープかつ精悍なイメージに変貌しています。ボディサイズは全長4,255mm×全幅1,800mm×全高1,460mmで、先代から全長が45mm、全幅が10mm拡大された一方で、全高は25mm低くなっています。
プラットフォームが新世代の「MQB」に刷新された事に伴い、ホイールベースは先代から60mm延長され2,635mmとなり、車両重量はベースグレード同士の比較で30kg軽い1,240kgとなりました。日本仕様のグレードは、1.2L直4ターボ搭載の「TSI Trendline BlueMotion Technology」と「TSI Comfortline BlueMotion Technology」、及び1.4L直4ターボ搭載の「Highline BlueMotion Technology」の3種類でスタートしました。
エンジンの詳細は、1.2Lは先代のSOHCからDOHCとなり最高出力105ps/最大トルク17.8kgmのスペック、1.4Lは新設計のユニットで気筒休止マネジメント「ACT」が導入され、最高出力140ps/最大トルク25.5kgmのスペックとなっています。トランスミッションは全車先代同様の7速DSG(DCT)との組み合わせで、駆動方式も従来と同様FFのみが設定されました。
居住性を改善し安全装備が充実
サスペンション形式はフロントのマクファーソンストラット式は先代と同様で、リアは先代が全車4リンク式であったのに対し、新型ではパワーの低いグレード(日本仕様3グレード含む)に限りトレーリングアーム式に変更されました。インテリアは、居住性の改善と同時に質感が高められた他、ゴルフ初の電動パーキングブレーキを採用した事が特徴となります。
装備面では、全グレードにSRS9エアバッグシステムが装備される他、ミリ波レーダーによる衝突被害軽減ブレーキ「フロントアシストプラス」や二次衝突を防止する「マルチコリジョンブレーキシステム」、ドライバー疲労検知システムなどの先進装備が標準装備されます。又、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストシステムがオプション設定されます。
バリエーションを次々と拡大
そして2013年9月、モデルチェンジにより一旦ラインナップから消えていたホットハッチ「GTI」が復活し、販売が開始されました。搭載される2L直4TSIターボエンジンは、吸排気可変バルブタイミング機構とデュアルインジェクションを採用し、最高出力は先代から9psアップの220ps、最大トルクは7.1kgmアップの35.7kgmを発生、6速DSGと組み合わせられます。
又、GTI独自の装備として可変ギアレシオステアリングの「プログレッシブステアリング」や電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」の改良型「XDS+」が備わる他、先代同様専用の内外装で標準モデルとの差別化が図られます。次いで2014年1月、全長を320mm、全高を25mm拡大したステーションワゴン「ヴァリアント」が発売されました。パワートレインや安全装備はハッチバックに準じるものの、1.4L車にACTが備わらない点が異なります。
次いで2014年2月、究極のハイパフォーマンスモデル「R」が追加されました。最高出力280ps/最大トルク38.7kgmまでパワーアップされた2L直4ターボエンジンと6速DSG、フルタイム4WDシステムの組み合わせにより「GTI」から更に走行性能を高めた他、「R」専用の内外装が備わります。次いで2015年5月に、ヴァリアントにも同一のスペックが備わる「R」が設定されました。
更に6月には、「GTI」及び「R」のハッチバック車に6速MT仕様が追加されました。そして7月に、ヴァリアントをベースにクロスオーバーSUVに仕立てたフルタイム4WDモデル「オールトラック」が発売されました。搭載されるパワートレインは1.8L直4ターボ(最高出力180ps/最大トルク28.6kgm)と6速DSGの組み合わせで、ヘビーデューティーなイメージの専用エクステリアが備わります。
ゴルフ7の口コミ評価/新車購入インプレッション
自動車社会である欧州において最も競争が激しいと言われているのが、Cセグメントと呼ばれるグループの車です。その中で、世界のベンチマークと呼ばれている車がゴルフです。
ドイツ車は昔から、その高速安定性の高さや様々な部分で感じる事の出来るカッチリ感が評価されており、いつかは乗ってみたいと思っていました。そんな中で選んだのが2013年に日本でも販売開始された5G型のゴルフ7でした。
内装の質感の高さ
日本に輸入される前から前評判は高く、クラスを超えたとか、クラスの優等生、欠点が見つからないなど、かなりほめちぎられていました。MQB方式と呼ばれる、車体をモジュール単位で組み合せる製造方法を確立した事によって、様々な車種との部品の共有が可能になり、開発及び製造の効率化につながったと言われています。
そんな自動車ビジネス面でも注目されていた車でしたが、実際にゴルフ7に乗り込んで感じたのが、内装の質感の高さ、そしてシートのホールド性の良さでした。日本に最初に輸入されたのがハイラインと呼ばれる上級仕様で、それを選択したからということもありますが、当時の国産の同クラスの車と比べると差は歴然でした。
シートに関しては、中央部がスウェード調で滑りにくく、サイドサポートも十分で体全体を包み込まれる感覚があり、運転していても疲れにくかったです。VWがトレンドを作ったと行っても過言ではない、ダウンサイジングターボがゴルフ7にも採用されており、1.4Lながらトルクは2.5L並みを実現しています。
ダイレクトかつ俊敏な加速
7速のデュアルクラッチトランスミッションとも相まって、とてもダイレクトかつ俊敏な加速が楽しめます。また、燃費性能の向上の為、シリンダーオンデマンドと呼ばれる低負荷走行時の気筒休止機構も採用されていますが、このシステムの制御がうまく、はっきり言って気筒休止の瞬間を感じる事はできません。
ハンドリングはドイツ車らしくステアリング操舵力が重めですが、操舵に対する車の反応も良く、操舵感にもカッチリ感があり、乗れば乗るほどこれがドイツ車かと感じるものとなっていました。
車体剛性が高いのと、ハイラインには後輪にマルチリンク方式が採用されている事もあり、ロードホールド性はとても、高く少し飛ばしたくらいでは、全く不安感を感じないハンドリングに仕上がっています。
車好きが求める要素を高い次元で実現している
車内の居住性も高く、ファーストカーとしても使えますし荷物も積めます。例えば燃費性能や居住性、日常の使い勝手の良さのような一般の人が車に要求する様々な要素と、動力性能や所有欲を満たしてくれる事等の車好きが求める要素を、高い次元で実現している車、それがゴルフ7という車なのだと運転するたびに思います。そして、ドイツ車とはこういうものなのだと車が主張しているように、日々感じています。
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