ダイハツの軽トールワゴン「ムーヴ」は、1995年8月に、このカテゴリーとしては「スズキ・ワゴンR」に続く2番目の車種として登場しました。登場がワゴンRの2年後であった事から、その大ヒットに触発されて開発されたパクリ商品ではないかと揶揄される事がありましたが、ムーヴの企画自体はワゴンR発売前に立ち上がっていました。
初代ダイハツ ムーヴ (1995-1998 L600/610S)
ワゴンRのフォロワーとして登場し、大ヒット
「ムーヴ」という車名は、自動車の価値観を新たな方向に動かしたいという意図が込められ命名されました。初代モデルは、「ミラ」のコンポーネンツを流用して製造された為、メカニズム上は格別目新しい機構はなかったものの、全高をミラよりも18㎝高く設定すると共に、ボンネットを短縮した事により実現した室内空間の広さが、最大の特徴となりました。
エンジンはNAとターボが用意され、トランスミッションは5速MTと3速及び4速トルコンATで、駆動方式はFFの他にフルタイム式及びパートタイム式の4WDが用意されました。1997年に実施された一部改良の際には、内外装をスポーティに演出した派生モデル「カスタム」が追加され、メーカー仕様カスタムワゴンの先駆けとなりました。
2代目ダイハツ ムーヴ (1998-2002 L900/910S)
新規格に対応し、居住性と安全性が向上
1998年に、軽自動車の規格改正に合わせ初のフルモデルチェンジを実施し、2代目となりました。全長と全幅が新規格一杯まで拡大されると共に、全高も初代モデルよりも高く設定され、居住性が一層向上しました。先代同様、標準モデルと共にカスタムも設定されましたが、特にジウジアーロのデザインによる標準モデルの洗練された外観が際立っていました。
3代目ダイハツ・ムーヴ (2002-2006 L150/160S)
プラットフォームを刷新し、スタイリング路線を変更
2002年に2度目のフルモデルチェンジを実施し、プラットフォームを一新すると同時に、全高が若干下げられカジュアル志向の強いスタイリングに変化しました。又、4WDモデルがフルタイム式に統一され、トランスミッションは後にCVTが追加されました。そして、クルーズコントロールなど軽自動車としては先進的な装備を用意した事も、この3代目モデルの特徴でした。
4代目ダイハツ ムーヴ (2006-2010 L175/185S)
大幅なイメージチェンジを図り、基本性能も向上
2006年に3度目のフルモデルチェンジを実施し、スタイリングが従来の1.5ボックススタイルから、ボディラインがボンネットから傾斜の強いフロントウィンドウへと続くワンモーションフォルムへと変わりました。全高が先代よりも更に低く設定された一方、ホイールベースは室内長を稼ぐ為逆に延長されました。又、エンジンが新開発の物に刷新されました。
5代目ダイハツ ムーヴ (2010-2014 LA100/110S)
軽量化やアイドリングストップ機構で燃費を改善
2010年に4度目のフルモデルチェンジを実施した際には、再び1.5ボックススタイルに戻ると共に、軽量化対策を行い、モデルチェンジの度に重くなっていた車両重量が初めて先代よりも軽くなりました。又、エンジンの改良と共にトランスミッションをCVTに一本化し、アイドリングストップ機構を採用する事で、燃費が先代よりも大幅に向上しました。
6代目ダイハツ ムーヴ (2014- LA150/160S)
走りの質感を大幅にアップ。安全装備を強化
「ムーヴ」は、2014年12月に5度目となるフルモデルチェンジを実施し、6代目となりました。
最大の特徴は、ボディの骨格構造を見直す事で軽量化と高剛性を両立させた事と、足回りの刷新により操縦安定性と乗り心地を大幅に改善した事にありました。又、衝突被害軽減ブレーキ「スマートアシスト」の機能が強化され、更に一部改良でより高機能な「スマートアシストⅡ」に進化するなど、安全装備が大幅に充実しました。
ムーヴは、初代モデルから現行モデルまで一貫してベストセラーとなっており、ワゴンRと熾烈な販売競争を繰り広げるなど、軽トールワゴンの代表的な車種の一つになっています。しかし、キープコンセプトを貫いているワゴンRと比較すると、モデルチェンジごとにコンセプトが変わっている事が、ムーヴの特徴となっています。
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