ホンダのミニバン「オデッセイ」は、2003年10月に4年ぶり2度目のフルモデルチェンジを実施し、3代目となりました。従来よりも全高を低く設定する事で低重心化を実現し、走行性能の追求に有利なディメンションになると共に、エンジンも刷新されるなど、大幅な路線変更とリフレッシュが図られた事が特徴でした。
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立体駐車場に収まるスマートなボディ
ボディサイズは、全長4,765mm×全幅1,800mm×全高1,550mm(FF)~1,570mm(4WD)で、全長と全高が先代よりもダウンサイジングされました。FFモデルの全高が殆どの立体駐車場に収まる数値に抑えられた事が、他のミニバンにはない大きなセールスポイントとなりました。ホイールベースは先代と同一の2,830mmで、車両重量は1,610kg~1,700kgとなりました。
スタイリングは、セダンやワゴン並みに下げられた車高と、強い傾斜が付けられたAピラーなどにより、ミニバンらしからぬスマートかつスポーティな雰囲気を醸すものとなりました。ドアは初代モデルからの伝統ともなったオールヒンジ式を受け継ぎ、乗車定員は従来用意されていた6人乗り仕様が廃止され、7人乗りに統一されました。
新エンジンは性能と燃費が向上
エンジンは従来モデルから一新し、アコードなどに搭載されていた2.4L直4DOHC i-VTECのK24A型に変更されました。チューニングの違いにより、標準グレード用、スポーティグレード「アブソルート」のFF用及びフルタイム4WD用の3種類が用意され、最高出力と最大トルクはそれぞれ160ps/22.2kgm、200ps/23.7kgm、190ps/23.2kgmでした。
先代のK23A型エンジンよりも大幅なパワーアップを実現した他、燃費性能も若干ながら改善されました。又、トランスミッションも先代の4速トルコン式ATから変更され、「M」と「L」のFF車がCVT(7スピードモード付)、「アブソルート」「S」とフルタイム4WD車が5速トルコン式AT(Sマチック)となりました。サスペンションは、従来モデルと同様の4輪ダブルウィッシュボーン式が踏襲されました。
2005年10月に一部改良を実施し、装備やグレード体系に係る若干の変更が行われました。翌2006年4月にマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトと共にアブソルートに18インチアルミホイールを採用するなどの仕様変更が行われました。次いで2007年2月の一部改良の際には、グレード体系の再度の見直しや装備の充実が行われました。
3代目オデッセイは、ミニバンでありながらセダンやワゴン並みの操縦安定性や高速走行性能を追求した事が最大の特徴で、前述した駐車時のメリットと併せて、他のミニバンにはない強い個性を持つモデルとなりました。この新しいコンセプトは、それまでのミニバンに飽き足らなかったユーザーから歓迎され、市場で高い人気を獲得しました。