1985年に初代モデルがデビューしたトヨタのミディアムクラスモデル「カリーナED」は、1989年9月に姉妹車種「セリカ」「コロナクーペ(コロナEXiVに車名変更)」と共にフルモデルチェンジを実施し、2代目となりました。最大の特徴であった4ドアピラーレスハードトップボディや背の低いディメンションを先代から受け継ぎながら、世界初の機能を持つ4輪操舵システムが設定されるなど、新機軸も打ち出されました。
スタイリングは、小さなグリーンハウスや角型2灯式ヘッドランプ採用のフロントマスクなど、基本的なイメージを先代から踏襲しつつ、ボディラインは若干丸みを帯びたものに変化しました。ボディサイズは全長4,485mm×全幅1,690mm×全高1,315mmで、先代から全長が10mm、全高が5mm拡大されたのみで実質的に同サイズといえるものでした。又、ホイールベースも同一の2,525mmでした。
デュアルモード4WS搭載車を設定
サスペンション形式も4輪ストラット式を踏襲し、駆動方式も引き続きFFが採用されました。セリカやコロナEXiVと共に新設定された4輪操舵システムは、スポーツモードとノーマルモードの切り替えが可能な世界初のデュアルモード4WSで、操縦安定性に与える効果の他に、最小回転半径が未搭載グレードより0.5m小さくなる(5.2m→4.7m)メリットも生じました。
発売当初用意されたエンジンは、1.8L直4DOHCセントラルインジェクション仕様の4S-FI型(最高出力105ps/最大トルク15.2kgm)、2L直4DOHC「ハイメカツインカム」フューエルインジェクション仕様の3S-FE型(最高出力125ps/最大トルク17.2kgm)、同「スポーツツインカム」フューエルインジェクション仕様の3S-GE型(最高出力165ps/最大トルク19.5kgm)の3種類でした。
トランスミッションは、先代同様5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。発売時におけるグレード体系は、1.8L車が下から「F」「S」「1.8X」、2Lハイメカツインカム車が「Sリミテッド」「2.0X」、2Lスポーツツインカム車が「Gリミテッド」の全6グレードで、「F」を除く全グレードでデュアルモード4WS搭載車を選択する事が出来ました。
トヨタ 2代目カリーナEDのCM
仕様変更でエンジンや装備を改良
そして1990年8月に一部改良を実施し、1.8L車のエンジンがフューエルインジェクション仕様の4S-FE型(最高出力115ps/最大トルク16kgm)に置換された他、2Lハイメカツインカムの3S-FE型のスペックが最高出力140ps/最大トルク19kgmに向上しました。次いで1991年8月にマイナーチェンジを実施し、外装の一部変更と共に2WS車の後輪トレッドを10mm拡大、同時に1.8L車のフロントブレーキディスク径が拡大されました。
又、全車にオートエアコンが標準装備された他、オーディオシステムにDSP(デジタルシグナルプロセッサー)機能が追加されました。続いて1993年10月にグレード体系が見直され、1.8L車が「1.8F」「1.8X」の2グレードが基本となった他、2L車の各グレードを含め全グレードに「エキサイティングバージョン」が設定されました。そして1993年10月のフルモデルチェンジにより、3代目に移行しました。
先代モデル:初代カリーナED
後継モデル:3代目カリーナED