ホンダの「バラードスポーツCR-X」は、1983年7月、小型4ドアセダン「バラード」の派生モデルとして登場しました。バラードの冠名を持つものの、コンサバで大人しいセダンタイプとは全く個性が異なり、先進的な設計のボディと高性能エンジンの組み合わせにより走行性能を追求し、尚かつ一部グレードにおいて低燃費も実現した事が特徴でした。
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小型軽量な空力ボディ
スタイリングは、直線的なシルエットを持つ3ドアのファーストバッククーペで、セミリトラクタブルヘッドランプの採用や低いノーズの実現など空気抵抗軽減に腐心し、当時としては世界トップレベルのCd値0.33を実現していました。後席を備え乗車定員は4人であったものの、前席の居住性を優先した設計により後席スペースはミニマムで、実質的に2+2でした。
ボディサイズは、全長3,675mm×全幅1,625mm×全高1,290mmとコンパクトなもので、全長はバラードよりも50cm近く短く、全高も遥かに低くなっていました。又、ホイールベースはバラードより250mmも短い2,200mmに設定されるなど、運動性を重視したディメンションでした。車両重量は、ポリマー系の新素材を採用したボディにより760kg~825kgと軽量であり、高い走行性能の実現に貢献していました。
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Honda Collection Hall 収蔵車両走行ビデオ BALLADE SPORTS CR-X(1983年)
エンジンは低燃費版とハイパフォーマンス版を用意
搭載されたエンジンは、発売当初はバラード同様の1.3L直4SOHCキャブレター式のEV型と1.5L直4SOHC燃料噴射式のEW型の2種類で、最高出力と最大トルクはそれぞれ80ps/11.3kgm、110ps/13.8kgmでした。トランスミッションは、それぞれに5速MTと3速トルコン式AT(1.3Lはホンダマチック)が用意されました。又、1.3LのMT車は、10モード燃費20km/Lの優秀な数値を実現していました。
バラードスポーツ CR-XのCM
サスペンションは、操縦安定性を重視しフロントにストラット+トーションバー式、リアにトレーリングリンク+コイル式が採用され、1.3Lはフロントのみ、1.5Lは前後にスタビライザーが装着されました。ブレーキは、共に前ベンチレーテッドディスク/後ドラムでした。装備面では、世界初のアウタースライド・サンルーフや乗用車として世界初のルーフベンチレーションを備える事が特徴でした。
そして1984年11月に、新開発の1.6L直4DOHC16バルブのZC型エンジン搭載グレードが追加されました。最高出力と最大トルクは135ps/15.5kgmで、車両重量は860kg~880kgとやや重くなったものの、パワーウエイトレシオは1.5L車を凌ぎました。トランスミッションは、1.5L車と同様5速MTと3速トルコン式ATが選択可能でした。外観上は、ボンネット上のパワーバルジとリアスポイラーが追加された事が相違点でした。
翌1985年9月にマイナーチェンジが実施され、ヘッドランプが固定式に変更されるなどのエクステリアデザインの変更が行われました。そして、1987年9月をもって生産を終了し、後継モデル「CR-X」にバトンタッチされました。バラードスポーツCR-Xは、走行性能の高さや扱い易いサイズ、低廉な価格などにより、スポーツ走行を好む若者から支持を集めました。
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