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BMW 507 (1956-1959):328の後継モデルとして登場した高級2シータースポーツ

BMW 507 (Series I 1956-1957)

BMWは1955年9月のフランクフルト・ショーにおいて、戦前に発売された「328」の後継モデルとなるとともに、アメリカ市場を主要なターゲットとした新型高級スポーツカー「507」を発表、翌1956年11月に市販を開始しました。1951年にリリースされた「501/502」をベースとして開発され、エクステリア・デザインはドイツ人デザイナーのアルブレヒト・グラーフ・ゲルツの手により行われました。

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3.2L V8エンジンのチューニング版を搭載

BMW 507 (Series I 1956-1957)

オールアルミ製となるボディのタイプは、同時に発表された「503」には2+2シーター仕様の2ドア・ピラーレスハードトップクーペと2ドア・カブリオレが用意されたのに対し、507は2シーター仕様の2ドア・カブリオレのみが設定されました。トップの仕様はソフトトップが標準で、オプションでハードトップが用意されました。

BMW 507 (Series I 1956-1957)

スタイリングは、同じデザイナーの手による503よりも抑揚の効いたフォルムが備わっていたほか、フロントマスクも全く異なる意匠が採用されました。ボディサイズは全長4,380mm×全幅1,650mm×全高1,300mmで、503よりも一回り以上コンパクトにまとめられていました。また、ホイールベースも503よりも350mm以上短い2,480mmに設定されました。

車両重量は1,330kgで、503より170kg軽量に抑えられていました。駆動方式は503と同様FRで、エンジンもそれと共通の水冷3.2L V8OHVゼニス・ツインキャブレター仕様ながら、圧縮比を7.3:1から7.8:1に高めるなどのチューニングにより最高出力は12psアップの152ps/5,000rpm、最大トルクは2kgmアップの24kgm/4,000rpmとなっていました。

基本メカニズムは503と共通

BMW 507 (Series II 1957-1959)

トランスミッションは503同様4速MTとの組み合わせであったものの、各ギアのレシオやファイナルレシオは異なっていました。パフォーマンスは最高速度196km/h・0-100km/h加速11.1sで、503との比較では最高速度が6km/h高く、0-100km/h加速は1.9s短いものでした。サスペンション形式は、503同様フロントにダブルウィッシュボーン/横置トーションバー式、リアに3リンク/縦置トーションバー式が採用されました。

BMW 507 (Series II 1957)

また、ステアリング形式も同様にラック&ピニオン式が採用されたほか、4輪ドラム式のブレーキ形式も共通でした。また、ホイール&タイヤも同じく4.5J×16インチホイール+6.00H×16インチクロスプライタイヤの組み合わせが採用されました。インテリアは、丸型3眼式メーターが備わるメーターナセルや4本スポーク式のステアリングは503と共通でした。

BMW 507 (Series II 1957-1959)

一方で、インパネは異なる意匠が採用されました。販売面では、価格が当初想定していた2倍近い高価なものとなってしまったことが影響し、振るいませんでした。さらに深刻な経営不振に陥ったことも手伝い、発売から僅か3年足らずの1959年に生産終了となりました。生産台数は503よりさらに少なく、僅か252台に留まりました

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