ダイハツ工業は1989年7月、1987年に生産終了となった2代目「シャルマン」以来となるファミリーセダン「アプローズ」を発売しました。ダイハツ単独により開発されたモデルで、4枚のドアを持つ3ボックス型ボディを採用しながら、リアウィンドウとリアデッキが一体となって開閉するテールゲート「スーパーリッド」が備わる5ドアハッチバックである点が特徴でした。
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2種類のエンジンを用意
こうした特徴的な機構を採用しながらも、スタイリングは直線を基調としたコンサバティブな雰囲気に纏められていました。初期型のボディサイズは全長4,260mm×全幅1,660mm×全高1,375~1,390mm、ホイールベースは2,470mmで、全高を除きシャルマンから若干拡大されていました。サスペンションは、リアがリジッド式だったシャルマンと異なり、4輪ストラット式独立懸架が採用されました。
当初、駆動方式はFFとフルタイム4WDが設定され、エンジンは1.6L直4SOHC電子制御式キャブレター仕様のHD-F型(最高出力97ps/最大トルク13.3kgm)と、同EFI仕様のHD-E型(最高出力120ps/最大トルク14.3kgm)が用意されました。トランスミッションは、それぞれに5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。
当初のグレード体系は、下からHD-F型エンジン搭載FF方式の「16L」「16X」、HD-E型エンジン搭載FF方式の「16Ri」、HD-E型エンジン搭載フルタイム4WD方式の「16Zi」の4タイプがラインナップされました。ブレーキは、フロントは全車ベンチレーテッドディスク式を採用し、リアは16Riのみディスク式でそれ以外はドラム式でした。
そして1990年5月、周波数感応式ダンパーやリアスポイラーなどが備わるHD-E型エンジン搭載FF方式の特別仕様車「QR-90」が設定されました。次いで同年10月の一部改良により車名が「アプローズθ」に変更されると共に、HD-E型エンジン搭載FF方式の中間グレード「16Si」及び最上級グレード「リミテッド」が追加され、16Xは廃止されました。
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ダイハツ アプローズのCM
新車情報89 ダイハツ アプローズ 16Ri
ラインナップを整理
続いて1991年5月、HD-E型エンジン搭載FF方式の特別仕様車「スーパーセレクション」が設定されました。次いで1992年7月のマイナーチェンジでフェイスリフトが実施されると共に、車名がアプローズに戻されました。同時に、最廉価グレード16Lに代わりHD-E型エンジン搭載の「16Li」が設定された事により、HD-F型エンジン搭載車はラインナップから消滅しました。
続いて1994年4月に行われた一部改良の際、グレード体系が16Li/16Xi/リミテッドの3タイプに整理された事により、フルタイム4WD車はラインナップから消滅しました。次いで1997年9月に実施された2度目のマイナーチェンジでは、内外装デザインが刷新されると共に、5速MT仕様が廃止されました。
同時に、グレード体系が「SL」「SX」の2タイプに変更されると共に、両グレードにSRSデュアルエアバッグシステムが、SXにABSが標準装備されました。又、SXをベースに本革シートやマルチAVナビゲーションシステムが装備される特別仕様車「SXリミテッド」が設定されました。
そして2000年5月、2代目モデルが発売される事もなく販売終了となりました。アプローズは、優れたトータルバランスや実用性の高さにより評論家筋から高い評価を得たものの、発売早々に設計上の不具合による火災事故が発生した為消費者からの評判が悪化し、販売面では常に苦戦を強いられる結果となりました。
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