ホンダ技研工業は2007年3月、2005年9月のフルモデルチェンジにより8代目に移行した小型車「シビック」をベースに、高性能エンジンや専用の足回りなどを採用すると共に、専用の内外装が備わる高性能グレード「タイプR」をリリースしました。ボディタイプが従来の3ドアハッチバックから4ドアセダンとなり、ファミリーカーとしてのニーズにも応えられるモデルとなりました。
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先代からボディを大型化
ベースモデル同様モノフォルムを採用するボディには、タイプRの証となるエアダムバンパーやハイウイングタイプのリアスポイラーが装着されました。ボディサイズは全長4,540mm×全幅1,770mm×全高1,430mmで、ベースモデルから全幅が20mm拡大され、全高は10mm低く設定されました。先代EP3型タイプRとの比較では、全長・全幅が大幅に拡大されました。
又、ホイールベースはEP3型タイプRより130mm長い2,700mmとなり、車両重量は80kg重い1,270kgとなりました。サスペンション形式はフロント:マクファーソンストラット式/リア:ダブルウィッシュボーン式が、駆動方式はFFがそれぞれ踏襲された他、EP3型タイプR同様にデフにはトルク感応型ヘリカルLSDが装着されました。
エンジンは改良によりパワーが向上
エンジンはEP3型タイプRからのキャリオーバーとなる2L直4DOHC NA i-VTEC仕様のK20A型ながら、改良により最高出力が10psアップの225ps/8,000rpmに、最大トルクが1.3kgmアップの21.9kgm/6,100rpmに向上を果たしていました。組み合わせられるトランスミッションは、引き続き6速MTが採用されました。
又、ブレーキはEP3型タイプR同様、フロントがベンチレーテッドタイプの4輪ディスク式となる他、新たにフロントにブレンボ製4ポッドキャリパーが採用されました。装着されるタイヤは225/40R18サイズで、従来からワイド化及び大径化が図られました。一方インテリア面では、専用のメーターパネルや前後シート、本革巻きステアリングホイールなどが採用されました。
快適装備を採用
又、安全装備としてEP3型タイプR同様にSRSデュアルエアバッグシステムやEBD付ABSが備わる他、従来は軽量化の為に省かれていたエアコンやパワーウィンドウ、集中ドアロックといった快適装備が標準化されました(但しオーディオシステムは未装着)。ボディカラーは当初、標準2色・オプション1色の全3色が用意されました。
そして2007年9月、前述の快適装備やサンバイザー、コンソールボックスなどを省き、徹底的な軽量化を図った競技専用の受注生産モデル「ワンメイクレースベース車」が追加されました。次いで2008年9月のマイナーチェンジにより、リアコンビネーションランプの意匠が変更されると共に、電動格納式リモコンカラードドアミラーが標準装備されました。
同時にボディカラーが見直され、標準2色・オプション3色の全5色となりました。そして2010年8月、排出ガス規制への対応困難を理由に生産終了となりました。