2013年12月、ランボルギーニの主力モデルだった「ガヤルド」の後継モデルとして、「ウラカン」が発表され、2014年7月に日本での発売が開始されました。ガヤルドは、この種のスーパーカーとしては異例のヒット作でしたが、ランボルギーニはキープコンセプトに走らず、大胆なイメージチェンジが図られました。
アグレッシブなスタイリング。シャシーも一新
スタイリングは、端正でどちらかと言えば大人しいイメージだったガヤルドから一転し、上級モデル「アヴェンタドール」を彷彿とさせる、アグレッシブなものへと変貌しました。「ウラカン」の車名は、19世紀に実在した伝説的な闘牛の名から取ったものですが、それに相応しい外観を体現したと言えます。
ボディサイズは、全高を除きガヤルドより若干拡大され、全長4,459mm×全幅1,924mm×全高1,165mmで、車両重量は1,422kgとなっています。又、シャシーは一新され、アルミとCFRP(炭素繊維強化ポリマー)の複合構造を採用し、ガヤルドよりも10%軽量化された一方、剛性が50%も上がっています。
パワートレイン、駆動系も進化
ミッドにマウントされるエンジンは、スーパーカーには自然給気ユニットこそが相応しいというポリシーにより、ダウンサイジングターボの道は歩まず、ガヤルドと同系統の5.2L V10NAを踏襲しています。しかし、直噴化やポート噴射を採用するなどの改良が加えらており、最高出力610ps/8,250rpm、最大トルク57.1kgm/6,500rpmという、ガヤルドを大きく凌ぐアウトプットを発生します。
トランスミッションは、ガヤルドが6速MT又は6速シングルクラッチ式AMTであったのに対し、ウラカンは同社として初のDCTとなる「LDF」(7速)を採用しています。アヴェンタドールには、スーパーカーに求められるドラマ性を演出するという観点から、敢えてシングルクラッチ式が採用されましたが、ウラカンでは合理的観点から変速スピードを優先した事になります。
駆動方式は、フルタイム4WD方式を踏襲しつつ、ガヤルドのビスカスカップリング式に対し、電子制御油圧多板クラッチ式へと進化しています。これらの改良により、最高速度325km/h、0-100km/h加速3.2秒という優れた動力性能を実現しています。これは、ガヤルド最速のLP570-4より最高速度で5km/h上回り、0-100km/h加速で0.2秒速いタイムとなっています。
電子デバイスも充実。環境性能もアップ
「ANIMA」と呼ばれる電子制御式のドライブモード切替システムや、「LPI」と呼ばれる車両コントロールシステムを採用するなど、ドライビングプレジャーや動的特性を高める為の電子デバイスも充実したものとなっています。そして、最新のスーパーカーに相応しく、アイドリングストップ機構を採用するなど環境への配慮も怠っておらず、燃費やCO2排出量はガヤルドよりも1割程改善されています。