レクサスの高級クロスオーバーSUV「RX」は、国内では初代モデルが1997年にトヨタブランドの「ハリアー」として発売され、2009年に発売された3代目モデルから車名が海外向け同様の「レクサス・RX」に変更されました。そして2015年10月に、国内でのレクサスRXとしては2代目となる新型が国内デビューを果たしました。最新の安全運転支援システムが導入されると共に、初のターボ車も設定されました。
力強いスタイリング
スタイリングは、力強さと「大人の色気」の両立が謳われ、スピンドルグリルの大型化やアグレッシブさを増したボディラインにより、一層インパクトのあるものとなっています。ボディサイズは全長4,890mm×全幅1,895mm×全高1,710mmで、先代からそれぞれ120mm×10mm×20mm拡大され、ホイールベースも50mm延長され2,790mmとなっています。車両重量は先代と大差ない1,890~2,130kgとなります。
サスペンションは、フロント:マクファーソンストラット式/リア:ダブルウィッシュボーン式の形式を踏襲しつつ改良が加えられた他、スポーティグレード「Fスポーツ」には「電動アクティブスタビライザー」が備わります。パワートレインは、2L直4ターボエンジン+6速トルコン式ATと、3.5L V6エンジン+モーター+電子式無段変速機のハイブリッドが用意されます。
駆動方式は従来同様FFとフルタイム4WDが設定され、4WDシステムは2Lターボ車が「ダイナミックトルクコントロールAWD」、ハイブリッドが後輪をモーターで駆動する「E-Four」となります。2Lターボ車のエンジンは、「レクサス・NX」にも搭載される8AR-FTS型(最高出力238ps/最大トルク35.7kgm)で、従来の2.7L直4及び3.5L V6のNAユニットに替わるものとなります。
一方ハイブリッドは、エンジンが先代の2GR-FXE型から燃料噴射システム「D-4S」採用の2GR-FXS型(最高出力238ps/最大トルク35.7kgm)に置換され、モーターはFF車が前輪用(最高出力167ps/最大トルク34.2kgm)のみ、4WD車はそれに加え後輪用(最高出力68ps/最大トルク14.2kgm)が搭載されます。システム最高出力は、FF車で313psとなっています。
2.0Lターボとハイブリッド
グレード体系は、標準グレードとして2Lターボ車に「200t」、ハイブリッドに「450h」が設定される他、それぞれに上級グレード「バージョンL」と、前述した「Fスポーツ」がラインナップされます。装備面では、エンブレムに手をかざすだけでバックドアが開く「タッチレスパワーバックドア」や、安全運転支援システム「Lexus Safety System+」が全車に標準装備されます。
後者は、歩行者検知機能付き衝突回避支援システムの「プリクラッシュセーフティ」、車線維持をアシストする「レーンキーピングアシスト」、全車速追従機能付きクルーズコントロールの「レーダークルーズコンロトール」、ヘッドランプのハイビーム/ロービームを自動的に切り替える「オートマチックハイビーム」の4つの機能から構成されます。
更に「バージョンL」には、ABペダルの踏み間違えによる衝突事故を回避・軽減する「インテリジェントクリアランスソナー」、後退時に左右から迫る車を検知し警告する「リヤトラフィックアラート」や、必要に応じブレーキを掛ける「リヤトラフィックオートブレーキ」、車線変更をサポートする「ブラインドスポットモニター」など、レクサス初の安全装備が備わります。
歴代モデル 初代レクサス RX
AGL10W/GGL1♯W/ GYL1♯W ’09-’15:レクサスブランド初のクロスオーバーSUV
レクサス「RX」は、同ブランド初のクロスオーバーSUVとして1998年に初代モデルが北米市場でデビューし、国内では「ハリアー」の車名で発売されました。そして2009年1月に北米仕様が3代目となる現行型にフルモデルチェンジした際、ハリアーは2代目のまま国内販売が継続され、3代目モデルは北米同様「レクサス・RX」の車名で国内デビューを飾りました。国産車随一の高級クロスオーバーSUVとして、現在も独自の存在感を放っています。
ハリアーより一回り大きいボディに先進装備を満載
スタイリングはハリアーの流麗なフォルムを受け継ぎながら、発売当初はフラッグシップセダン「LS」を彷彿とさせるフロントマスクを取り入れ、風格溢れるムードを醸しました。ボディサイズは全長4,770mm×全幅1,885mm×全高1,690mm、ホイールベースは2,740mm、車両重量は1,870kg~1,980kgで、ハリアーよりも一回り拡大されると共にホイールベースも延長され、車両重量も重くなりました。
サスペンション形式は、ハリアーの4輪ストラット式からリアがダブルウィッシュボーン式に変更された他、最上級グレードに電子制御式エアサスペンションが設定されました。駆動方式はハリアー同様FFとフルタイム4WDがラインナップされ、パワートレインは発売当初はハリアーから受け継いだ3.5L V6の2GR-FE型エンジン(最高出力280ps/6,200rpm・最大トルク35.5kgm/4,700rpm)+6速トルコン式ATのみが設定されました。
インテリアは、ドライバーを囲むようなデザインのインパネを採用した他、10Wayパワーシートや世界初の有機ELを採用したマルチインフォメーションディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、ナビ画面を遠隔操作出来るリモートタッチなどの先進装備が採用された事が特徴になります。又、リアサスペンションの変更によりラゲッジスペースが拡大した事も美点となっています。
バリエーション拡大とイメージチェンジ
そして同年4月、ハイブリッドモデルの「RX450h」が追加されました。ハイブリッドシステムは、3.5L V6エンジン(最高出力245ps/最大トルク32.3kgm)とモーター(最高出力167ps/最大トルク34.2kgm)で前輪を、もう1基のモーター(最高出力68ps/最大トルク14.2kgm)で後輪を駆動する「E-Four」で、ハリアーハイブリッドと同一の方式を踏襲しながらエンジンを0.2L拡大し、燃費は1km/L向上し18.8km/Lとなりました。
次いで同年10月、後輪用モーターを省いたFF仕様の「RX450h」が追加されました。ベースグレードで車両重量が2,090kgから2,030kgへと軽量化され、燃費が19.4km/Lに向上しました。そして翌2010年8月に、2.7L直4の1AR-FE型エンジン(最高出力188ps/5,800rpm・最大トルク25.7kgm/4,200rpm)+6速トルコン式ATのパワートレインを搭載する「RX270」が追加されました。FF車のみの設定で、車両重量は1,810kgと軽量になりました。
次いで2012年4月にマイナーチェンジを実施し、フロントマスクが「GS」譲りのスピンドルグリルに変更されアグレッシブにイメージチェンジした他、ナビゲーションシステムが一新されました。又、大型エアロバンパーや19インチアルミホイール、専用シートなどが備わると共に、専用サスペンションやパフォーマンスダンパーの採用により走行性能を追求した新グレード「Fスポーツ」が設定されました。