マツダ デミオ 新型(4代目)の特徴
マツダのコンパクトカー「デミオ」は、2014年9月に7年ぶり3度目のフルモデルチェンジを実施し、現行型となりました。先代からはほぼ全面的に刷新され、基本性能が大幅に向上した事で、ヨーロッパ車の水準に到達した真のグローバル・コンパクトカーへと変貌しました。
新車購入ガイド:【2023最新】マツダ2の値引き 納期 乗り出し価格
躍動的なスタイリング
エクステリアデザインは、近年のマツダ車のデザインテーマとなっている「魂動」をモチーフにしたもので、「アテンザ」や「アクセラ」などと同様、躍動感溢れる動的なスタイリングを持ち味としています。ボディサイズは一回り拡大され、全長4,080mm×全幅1,695mm×全高1,500mm~1,525mmとなりましたが、日本の路上で扱い易い5ナンバーサイズを踏襲しています。
又、プラットフォームを刷新すると共に、ホイールベースが先代から80mm延長され、クラストップレベルの2,570mmとなっています。車両重量は、ボディやプラットフォームの軽量化を図っているものの、後述するエンジンの変更などに伴い、先代よりもやや重い1,010kg~1,220kgとなっています。
パワートレインを一新。待望のディーゼル追加
パワートレインも刷新され、マツダ独自の技術である「SKYACTIVテクノロジー」が全面的に採用されています。まずエンジンは、1.3Lと1.5Lが用意される点は先代と同様であるものの、1.3Lは先代の「13-スカイアクティブ」から受け継いだ1.3Lガソリン直4NAのP3-VPS型を改良した物が全グレードに搭載され、1.5Lは従来のガソリンNAユニットに代わり、直4直噴ターボディーゼルのS5-DPTS型に置き換えられています。
最高出力と最大トルクは、1.3Lが92ps/12.3kgmで先代より1割近く向上し、1.5Lは105ps/22.5kgmとなり、最高出力は若干低下したものの、ターボディーゼルの特性により最大トルクが大幅に向上しています。トランスミッションも一新され、1.3L/1.5L共にオートマチックが従来の4速トルコン式/CVTに代わり、「SKYACTIV-DRIVE」と称する新開発の6速トルコン式を搭載しています。
この新ATは、ロックアップ領域を拡大する事でMTのようなダイレクト感を実現し、かつスムーズな変速と燃費の改善を図ったものです。又、FFモデルには従来同様MTも用意されますが、これも新開発の「SKYACTIV-MT」と称するシフトフィールと低燃費を追求したものが搭載され、1.3Lは5速、1.5Lは6速となっています。
駆動方式は、メインとなるFFの他、システムが全面的に刷新された4WDが用意されます。従来の「e-4WD」と称する電気式パートタイム4WD方式から、「i-ACTIV AWD」と称する駆動力自動制御機能を備えた機械式フルタイム4WD方式となり、走破性能と燃費性能が大幅に向上しています。4WDモデルに用意されるトランスミッションは、6ATのみとなっています。
新車購入ガイド:【2023最新】CX-3の値引き 納期 乗り出し価格
ドライビングポジションや装備にも拘り
インテリア面では、適切なドライビングポジションを徹底的に追求し、コンパクトカーにありがちなオフセットを排除したペダルレイアウトを実現するなど、ドライバーズカーとしての要素を最優先した設計となっています。その為、ボディサイズの拡大が必ずしも後席の居住性向上に結び付いていない事が、ひとつの特徴ともなっています。
又、走行に必要な情報を見易く表示する為の7インチセンターディスプレイや、速度表示などを行う「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」を上級グレードに標準装備、カーコネクティングシステム「マツダコネクト」を全グレードに標準装備するなど、マン・マシン・インターフェイスを重視した装備を特徴としています。
その他、安全装備の面でも、衝突被害軽減ブレーキ「スマート・シティ・ブレーキ・サポート」をエントリーグレード以外に標準装備、「ブラインド・スポット・モニタリング」を一部グレードに標準装備もしくはオプション設定するなど、先代から大幅に進化しています。
新型デミオは、「走る・曲がる・止まる」の全ての面でヨーロッパの競合車種に遜色ない水準に達しており、独自のスタイリングや充実した装備と相まって、国内外において高い市場競争力が備わっています。又、2014年日本カーオブザイヤーとグッドデザイン賞を受賞するなど、完成度の高さやデザインが専門家からも高い評価を得ています。
マツダ デミオの歴史
マツダのコンパクトカー「デミオ」は、同社がフォード傘下に入った年である1996年に発売されました。それまでのマツダのコンパクトカーといえば、女性ユーザー層をメインターゲットにした「オートザム・レビュー」や、その一クラス上の「ファミリア」がありましたが、いずれも販売台数は低迷していました。
又、バブル期に販売拡大を狙って実施した販売網多チャンネル化が失敗し、車種の数ばかり増え、その多くが販売不振という危機的な状況に陥っていました。そうした状況を打開すべく、既存のコンポーネントを活用し、当時のユーザーニーズに応えられるようなスペースユーティリティーの優れたコンパクトなワゴンを開発する事となりました。
初代デミオは、スペースユーティリティーの高さで大ヒット
そうした経緯で登場したデミオは、同クラスの「トヨタ・スターレット」や「日産・マーチ」などの一般的なコンパクトカーとほぼ同等のボディサイズを持ちながら、それらの車種よりも全高が10㎝以上高く設定されていました。又、スタイリング面では、Cピラーにウィンドウを備える6ライトのボクシーなボディが特徴的でした。エンジンは既存の1.3L/1.5Lユニットが流用され、駆動方式はFFでした。
初代デミオは、メカニズムこそ平凡であったものの、このクラスでは比類のない広大な室内スペースを持っていた事が、競合車種に対する大きなアドバンテージとなりました。当時、国内ではミニバンブームが起こっていた為、コンパクトなボディサイズながらミニバン並みの優れたスペースユーティリティーを持つデミオは、デビューするや否や大ヒットとなり、マツダの救世主的存在となりました。
2代目デミオはキープコンセプト
2002年にフルモデルチェンジを実施し、2代目となったデミオは、キープコンセプトのモデルチェンジで先代のイメージを踏襲しながらも、プラットフォームやエンジンを刷新し、基本性能や環境性能の改善が図られました。又、途中から4WDモデルも追加され、更に幅広いニーズに応えるバリエーション体系となりました。販売は、初代モデルに引き続き好調を維持しました。
小さく軽くを目指した3代目デミオ
2007年に2度目のフルモデルチェンジを実施した際には、4ライトの一般的なコンパクトカーのスタイリングとなった事が大きな変化でした。又、ボディは全幅を除きダウンサイジングが図られ、車両重量も大幅に軽量化されました。同時に、プラットフォームやパワートレインも一新され、走行性能や環境性能が全般的に嵩上げされました。
更に、2011年には、画期的な「SKYACTIVテクノロジー」を採用した1.3Lモデルが追加され、純ガソリンエンジン車としてはトップレベルの燃費性能を実現しました。このモデルは評論家筋からの評価も高く、ハイブリッド車よりも安価であった事などから、デミオの人気の維持向上に大きく貢献しました。
新車購入ガイド:【2023最新】CX-30の値引き 納期 乗り出し価格