東洋工業(現:マツダ)は1957年、ドア付きスチール製のクローズド・キャビンと丸形ステアリングホイールを採用した新型オート3輪、MAR型を発売しました。当初は空冷1L V型2気筒OHVエンジンを搭載していたものの、1959年に水冷1.5L直4OHVエンジンを搭載する「T1500」に発展、さらに1962年の小型車規格改正にともない、排気量を2Lに拡大した「T2000」が登場しました。
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さまざまな荷台サイズを用意
ボディタイプは2ドア3人乗りオープン荷台のトラック(最大積載量2トン)が主力であったほか、バキュームカー仕様やダンプカー仕様も用意されました。トラック仕様の荷台長は、8尺から13尺まで多彩なバリエーションが用意されたほか、荷台の仕様は一方開きの標準タイプのほかに平床三方開きや低床三方開きも用意されました。
最も大きい13尺仕様のボディサイズは、全長6,080mm×全幅1,840mm×全高1,920mmという巨大なもので、荷台長も4,080mmに達しました。その一方で、最小回転半径5.93mというオート3輪ならではの機動性を備えていました。エンジンは座席下部に搭載され、動力は後輪に伝達されました。アウトプットは、T1500の場合最高出力60ps/最大トルク10.4kgmとなっていました。
トランスミッションは、ローがノンシンクロの4速コラムMTが組み合わせられ、最高速度92km/hの性能でした。また、ブレーキは油圧式で、タイヤはフロントに7.00-15が、リアに7.50-16が装着されました。一方室内は、鉄板むき出しのインパネが備わる質素な仕様で、チェンジレバーはステアリングポスト右側に設けられていました。
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マツダ T1500の動画
小型車規格改正にともない仕様を変更
その後1962年に、1.1Lエンジン搭載・1~1.5トン積み仕様の弟分「T1100」が1.5Lエンジンに置換されるとともに、「T1500」を名乗るようになりました。また、T1100に対しては、リアブレーキの2リーディング化やファイナルギアレシオ変更による燃費改善などのリファイインが図られていました。
一方従来のT1500は、エンジンを2L直4OHV(最高出力81ps/最大トルク15.5kgm)に置換した「T2000」に進化しました。その最高速度は、オート3輪としては最速の100km/hに達しました。次いで1965年に一部改良が実施され、シフトパターン変更による操作性の改善や2分割シートの採用による整備性の向上、ハイドロマスター装備やバックミラーの大型化による安全性の向上などが図られました。
同時に、インテリア面では燃料計やサンバイザーが追加されました。そして1970年代初頭にまずT1500が生産を終了、残るT2000も1974年をもって生産終了となりました。人気の面ではパワフルで積載量の大きいT2000の方が高く、現存する個体も遥かに多いと推測されています。
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