トヨタのスペシャリティカー「セリカXX」は、1977年に発売された2代目「セリカ」の派生モデルとして同年の東京モーターショーに参考出展され、翌1978年4月に発売が開始されました。2L以下の4気筒エンジンを搭載するセリカに対し2L以上の6気筒エンジンを搭載する他、ボディも一回り拡大されるなど、上級車種としての存在感を全面に打ち出したモデルでした。
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セリカをベースにボディを拡大
ボディ形状は、セリカ・リフトバックをベースとする3ドア・ファーストバッククーペで、キャビンより後の部分は基本的に共通であるものの、全長の長い直列6気筒エンジンを収める為にボンネットが延長されました。又、角型ヘッドランプとTバーグリル、カラードウレタンバンパーを備える専用フロントマスクを持ち、ガラス調リアガーニッシュやBピラーフィニッシャーを備えるなど、多くの相違点がありました。
セリカXX(A40)のCM
ボディサイズは全長4,600mm×全幅1,650mm×全高1,310mmで、セリカと比較すると全長が190mm、全幅と全高がそれぞれ10mm拡大されました。ホイールベースも130mm延長され2,630mmとなり、車両重量は100kg以上重い1,170kg~1,180kgとなりました。サスペンション形式はセリカと同様、フロントがストラット式、リアが4リンク/コイル式によるリジッド式で、ブレーキは全車4輪ディスク式が採用されました。
エンジンは直6を2種類設定し、M/Cで排気量を拡大
駆動方式はセリカ同様FRで、エンジンは2L直6SOHCのM-EU型(最高出力125ps/6,000rpm、最大トルク17kgm/4,400rpm)及び2.6L直6SOHCの4M-EU型(最高出力140ps/5,400rpm、最大トルク21.5kgm/3,600rpm)が搭載されました。トランスミッションは5速MTの他、当時としては珍しかった4速トルコン式ATが設定されました。グレード体系は、2L車が上から「G」「S」「L」の3種類、2.6L車が同じく「G」「S」の2種類でした。
そして1980年8月、マイナーチェンジを実施し、2.6L車のエンジンが2.8L直6SOHCの5M-EU型(最高出力145ps/5,000rpm、最大トルク23.5kgm/4,000rpm)に置換されました。2.8L車のグレードは、「G」のみの設定となりました。同時に、全車のリアサスペンションがセミトレーリングアーム/コイル式による独立懸架式に改められました。この後期型は、翌1981年7月に2代目にフルモデルチェンジした為、短期間の販売となりました。
初代セリカXXは、当時のトヨタとして最上級クラスに位置するフラッグシップモデルであったものの、当時は自動車税が高額であった3ナンバーモデルを有していた事もあり、国内販売はさほど振るいませんでした。北米市場においては「スープラ」の車名で販売された為、後に国内でも発売されたスペシャリティカー「スープラ」の先駆け的な存在ともなりました。