
マーキュリー セーブル (5代目 2007)
1985年に「フォード・トーラス」のマーキュリー・バージョンとして誕生したFF中型乗用車「セーブル」は、2005年に後継モデル「モンテゴ」が登場した事に伴い生産を終了、20年の歴史に一旦幕を下ろしました。しかし、2007年8月にモンテゴがマイナーチェンジと同時に車名を変更、通算5代目のセーブルとして再びラインナップに名を連ねる事となりました。
4代目からボディを拡大

マーキュリー セーブル (5代目 2007)
プラットフォームはモンテゴ同様の「フォードD3プラットフォーム」で、従来のセーブルから一新されました。ボディタイプはモンテゴ同様4ドアセダンのみの設定で、4代目セーブルまで用意されていた5ドアステーションワゴンの設定はなくなりました。スタイリングは、モンテゴからフロントグリルの意匠が変更されるとともに、リアコンビネーションランプがLED化されました。

マーキュリー セーブル (5代目 2007)
また、4代目セーブルとの比較ではスクエアなフォルムに変貌するとともに、サイドウィンドウが2代目セーブル以来となる6ライトとなった事が大きな相違点でした。ボディ・ディメンションはモンテゴと実質的に同等の全長5,130mm×全幅1,890mm×全高1,560mm、ホイールベース2,860mmで、4代目セーブルとの比較では一回り拡大されました。
4WD車も用意

マーキュリー セーブル (5代目 2007)
駆動方式はFFの他、モンテゴに引き続き電子制御式フルタイム4WDが設定されました。エンジンは4代目セーブルおよびモンテゴから変更され、3.5L V6DOHCの「デュラテック35」(最高出力263hp/最大トルク34.5kgm)が搭載されました。トランスミッションはモンテゴに設定されていたCVTが廃止され、全車6速トルコン式ATとの組み合わせとなりました。

マーキュリー セーブル (5代目 2007)
その後エンジンやトランスミッションの変更はなく、これが5代目セーブル唯一のパワートレインとなりました。サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式で、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が採用されました。また、ステアリングのパワーアシストには電動式が採用されました。
安全装備を強化

マーキュリー セーブル (5代目 2007)
安全装備面では、SRSデュアル&サイドエアバッグシステムに加え、SRSカーテンエアバッグシステムが標準化されました。グレード体系は、ベースグレードと上級グレード「プレミア」の2タイプのラインナップでした。その後2009年に、専用の内外装が備わるパッケージオプション「VOGA」が設定されました。
そして同年をもって生産を終了、セーブルの車名は再びフォードのラインナップから消滅し、現在に至っています。なお、モンテゴ同様に日本市場への正規輸入は行われませんでした。