ルノーは1978年4月、デビューから9年が経過し旧態化が目立っていた「12」に代わる新型小型乗用車「18(ディズユイット)」を発売しました。エンジンをオーバーハングさせて搭載するFF方式や、リアに3リンク/コイル・リジッド式を採用するサスペンションなど、基本メカニズムは12譲りでした。又、多くの発展途上国でライセンス生産が行われた点も12と同様でした。
12からエンジンを拡大
当初3ボックス型の4ドアセダンのみが用意されたボディは、直線基調のプレーンなスタイリングが備わっていました。ボディサイズは全長4,390mm×全幅1,690mm×全高1,400mmで、12から全長が150mm、全幅が55mm拡大され、全高は30mm低められました。一方、2,441mmのホイールベースは12と同一でした。
サスペンション形式は前述のリアばかりでなく、ダブルウィッシュボーン/コイル式を採用するフロントも12と共通でした。エンジンは当初、12から排気量が拡大された1.4L(最高出力64hp/最大トルク10.5kgm)及び1.65L(最高出力79hp/最大トルク12.4kgm)のガソリン直4OHVが用意されました。トランスミッションは4速MTの他、1.65L車には5速MTと追って3速トルコン式ATも設定されました。
ワゴンとクーペを追加
その他、ラック&ピニオン式のステアリング形式や、フロント:ディスク式/リア:ドラム式のブレーキ形式などは12と共通でした。グレードは当初、1.4L車に「TL」「GTL」が、1.65L車に「TS」「GTL」「GTS」が設定されました。そして翌1979年、1.65L車に新グレード「LS」が追加されると共に、12にも設定のあった5ドアステーションワゴン「ブレーク」がラインナップに加わりました。
次いで1980年2月、12をベースとする2ドアクーペ「15/17」の後継モデルとして、18のコンポーネンツを流用したガラスハッチ付きクーペ「フェーゴ」がリリースされました。エンジンは18と共通の1.4L/1.65Lの他、2L直4SOHC(最高出力110hp)が用意されました。一方18は、同年7月に2.1L直4SOHCディーゼルエンジン(最高出力64hp)を搭載する「TD」「GTD」が追加されました。
更に9月には、ガソリン1.6L直4SOHCインタークーラーターボエンジン(最高出力110hp)を搭載する「ターボ」が追加されました。次いで1982年、フェーゴに2.1L直4SOHCディーゼルターボエンジン(最高出力87hp)搭載車が、更に1983年には18と同一のガソリンターボエンジン搭載車が追加されました。又、同じ1983年に、18ブレークにパートタイム4WD方式を採用した「4×4」が追加されました。
そして1986年に後継モデル「21」が登場したものの、生産は1989年まで続けられました。