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ロールス・ロイス 25/30HP (1936-1938):20/25HPの改良版としてデビューするも短命に

1906年に正式に創立されたイギリスの高級車メーカー、ロールス・ロイスは、1936年に「20/25HP」の後継モデルとなる新型乗用車「25/30HP」をリリースしました。デビュー以来7年が経過し、重くなったボディに対し出力不足が目立つようになっていた20/25HPの問題点を解消するため性能向上を図ったモデルで、基本設計は従来からのキャリオーバーでした。

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20/25HPから排気量を拡大

ボディのコーチワークは、アーサー・ムリンナー、HJムーラー&カンパニー、フーパー、スラップ&マベリー、パークワードなどさまざまなコーチビルダーにより手掛けられました。そのバリエーションは、4ドア・リムジンや2ドア・ドロップヘッドクーペなどをはじめさまざまなタイプが存在しました。それらは、外観面では20/25HPに架装されたものから大きな変更はありませんでした。

ホイールベース3,400mmのシャシーは、従来同様油圧ダンパーを採用した4輪リジッド・アクスル/リーフスプリング式のサスペンションが備わっていました。駆動方式はコンベンショナルなFRを踏襲しながらも、ドライブシャフトが変更されていました。エンジンは、水冷直列6気筒OHV12バルブの仕様を踏襲しつつ、ボアアップにより排気量が20/25HPの3,669ccから4,257ccまで拡大されました。

キャブレターなどを変更

圧縮比は6:1.1で、点火方式は従来のコイル&バッテリーとマグネトーによる二重方式から、主コイルと予備コイルおよびバッテリーによる方式に変更されました。また、キャブレターは自社製の2ジェット型に代わり、ストロンバーグ・ダウンチューブ型が採用されました。そのほか、ルーカス製の電装システムやサックス製燃料ポンプが採用されたことも変更ポイントでした。

最高出力に関しては、ピークパワーの表記は意味をなさないとの同社の方針が守られ、引き続き「十分」との表記しか行われませんでした。このエンジンに組み合わせられるトランスミッションは、運転席右側に設けられたチェンジレバーにより操作を行う4速MT(3/4速がシンクロ付き)が踏襲された一方、クラッチは変更されていました。

フーパー製ボディ架装モデルのパフォーマンスは、雑誌媒体によるテストで最高速度128km/h・0-80km/h加速15sを記録しました。また、ブレーキは、20/25HP同様のメカニカルサーボ付4輪ドラムブレーキが踏襲されました。そしてデビューから2年後の1938年、全面的な改良が施された後継モデル「25/30HP」の登場にともない、生産終了となりました。2年間の販売期間における総生産台数は、1,201台でした。

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