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ロールス・ロイス ファントムⅥ (1968-1991):ファントムⅤから出力向上などを図った改良版

1959年にリリースされたロールス・ロイスのショーファードリブン「ファントムⅤ」は、1968年に8年ぶりのフルモデルチェンジを受け「ファントムⅥ」に移行しました。実質的にはファントムⅤのマイナーチェンジ版といえる内容で、基本設計や内外装に大きな変更は行われず、出力向上などの小規模な仕様変更に留められました。

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大半がリムジンとランドウレット

フォントムⅤ同様、ロールス・ロイス社からはシャシーとメカニカル・コンポーネンツのみが供給され、ボディの架装はコーチビルダーの手にゆだねられました。コーチワークを担当したメーカーは主にミュリナー・パーク・ウォード社で、ボディタイプはフィクスドヘッドボディの4ドアリムジンとオープンボディの4ドアランドウレットが制作されました。

一方で、少数派としてフルア社の手により4ドアカブリオレと2ドアドロップヘッドクーペが1台ずつ制作されました。それらのエクステリア・デザインはファントムⅤから大きな変更はなく、4ドアモデルは当初は従来同様の観音開き式ドアが採用されました。ボディ・ディメンションは全長6,040mm×全幅2,010mm×全高1,750mm、ホイールベース3,680mmで、ファントムⅤと同等でした。

一方、車両重量は150kg程増加し2,742kgとなっていました。駆動方式はコンベンショナルなFRが踏襲され、エンジンも当初6,227cc V型8気筒OHVがキャリオーバーされました。圧縮比はそれまでと同様の8:1で、キャブレターはSU HIF7キャブレターが2基装備されました。最高出力は前述のとおり強化が図られていたものの、引き続き同社のポリシーに従い数値は公表はされませんでした。

組み合わせられるトランスミッションは、当初は従来同様の4速ATでした。サスペンション形式はフロント:ダブルウィッシュボーン/コイル独立懸架式・リア:リジッド・リーフ式が踏襲され、ステアリング形式も従来同様のパワーアシスト付きウォーム&ローラー式が採用されました。また、ブレーキも依然として4輪ドラム式が装備されていました。

パワートレインを刷新

一方、タイヤはそれまでよりもワイドな8.90S-15サイズが装着されました。その後1972年に、ヨーロッパの安全基準に対応するため後席用ドアが前ヒンジ式に改められました。次いで1979年、エンジンが6,750ccに置換されるとともに、トランスミッションがトルクコンバーター付き3速ATに更新されました。同時に、エアコンが前席・後席分離型にアップグレードされました。

その後は大きな仕様変更が行われないまま、1991年まで生産が続けられました。総生産台数は374台でした。

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