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サーブ 93 (1955-1960):92からエンジンやサスペンション形式を一新

サーブ 93 (1955-1957)

サーブの自動車部門であった「サーブ・オートモビル」より1949年に初の市販モデルとしてデビューした大衆車「92」は、1955年12月に後継モデル「93」に発展しました。エアロダイナミックなスタイリングは92譲りであった一方、エンジンやサスペンション形式が一新され、快適性の向上が実現しました。

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2ストローク3気筒エンジンを搭載

サーブ 93 (1955-1957)

ボディタイプは92同様、2ドアセダンのみの設定でした。エクステリア・デザインは、丸みを帯びた流麗なフォルムが踏襲された一方でラジエーターグリルやバンパーの意匠は一新されました。さらに、リアウィンドウの拡大も図られていました。ボディ・ディメンションは全長4,007mm×全幅1,581mm×全高1,448mm、ホイールベース2,489mmでした。

サーブ 93B (1957-1959)

92との比較では、エンジンの大型化にともない全長が延長された一方、全幅は若干縮小されました。また、車両重量はわずかに増加したものの、絶対的には軽量な787kgに抑えられていました。駆動方式はFFを踏襲しながらも、エンジン・レイアウトが横置きから縦置きに変更されました。また、エンジンは水冷2ストローク764cc直列2気筒から同748cc直列3気筒に置換されました。

サーブ 93B (1957-1959)

7.3:1の圧縮比と1基のソレックス・キャブレターにより発生する最高出力は33hp/4,200rpmで、92から5hpの向上を果たしていました。一方で、アクセル・オフ時のエンジンの焼き付きを防ぐ「フリーホイール機構」が踏襲されていました。トランスミッションはそれまでと同様3速MTが組み合わせられ、最高速度116km/h、0-80km/h加速19.7sの性能を発揮しました。

M/Cにより一体型フロントウィンドウを採用

サーブ 93F (1959-1960)

サスペンション形式は、フロントにダブルウィッシュボーン/コイル式、リアにリジッド・アクスル/コイル式が採用されました。そのほか、電装系が6Vから12Vに格上げされたことが大きな変更点となっていました。その後1957年に「サクソマット・クラッチ」と呼ばれるセミAT仕様が追加されるとともに、前席2点式シートベルトがオプション設定されました。

サーブ 93F (1959-1960)

追って同年9月にマイナーチェンジが実施され「93B」に移行、2分割式だったフロント・ウィンドウが一体型ガラスに変更されたほか、セマフォー(腕木式方向指示器)に代わりウィンカーランプが採用されました。次いで1959年に2度目のマイナーチェンジを受け「93F」に移行、後ヒンジ式だったドアが前ヒンジ式に改められました。

サーブ 93F (1959-1960)

そして翌1960年に後継モデル「96」がデビューしたことにともない、同年をもって生産終了となりました。総生産台数は、92の2倍以上の52,731台に達しました。また、軽量な空力ボディや優れた足回りを生かし、92同様にモータースポーツの世界でも活躍をみせました。

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