日本を代表するハイパフォーマンスGTカーであった「スカイラインGT-R」は、まず1969年に4ドアセダンボディの初代モデル「スカイライン2000GT-R」がデビューしました。そして1970年10月に、スカイラインシリーズがマイナーチェンジを行い2ドアハードトップが追加された事に伴い、2000GT-Rはパワートレインをハードトップボディに移植した後期型に移行しました。
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オーバーフェンダーとショートホイールベースが特徴
スタイリングは基本的に下位グレード「ハードトップ2000GT」と共通で、フェイスリフトにより刷新されたフロントグリルや砲弾型からタルボ型に変更されたフェンダーミラーも同一のものでした。しかし、リアホイールアーチにFRP製の黒いオーバーフェンダーが装着された為、エンブレム以外での識別も容易でした。又、オプションでテールウイングを装着する事も可能となりました。
ボディサイズは全長4,330mm×全幅1,665mm×全高1,370mmで、セダンボディの前期型から65mm短く55mmワイドで、かつ15mm低い運動性に有利なディメンションに変化しました。ホイールベースは、Bピラーレス化に伴うボディ剛性低下を補う目的で70mm短縮され、2,570mmになりました。又、車両重量は20kg軽量化され1,100kgになりました。
サスペンション形式はフロント:ストラット式/リア:セミトレーリングアーム式で、前期型から変更はなく、搭載されるエンジンもR380用譲りの2L直6DOHC4バルブ3連キャブレター仕様のS20型を踏襲しました。しかし、排気ガス対策としてブローバイガス還元装置が装着された他、従来通りのハイオクガソリン仕様に加えレギュラーガソリン仕様が追加されました。
日産スカイラインGT-R (KPGC10) ノスタルジック2デイズ2020展示車
ハイオク仕様は加速性能が向上
スペックは、ハイオク仕様は前期型と同一の最高出力160ps/7,000rpm・最大トルク18kgm/5,600rpmで、レギュラー仕様は圧縮比を9.5から9.0に下げた為、最高出力155ps/7,000rpm・最大トルク17.6kgm/5,600rpmへと低下しました。従来通りの5速MTを介しての最高速度は、ハイオク仕様は前期型同様の200km/hで、レギュラー仕様は5km/h低い195km/hでした。
又、ハイオク仕様のみ0-400m加速データが公表され、前期型より0.5s速い15.6sと謳われました。一方インテリア面では、他のスカイラインシリーズ同様インパネのデザインが刷新され、従来のインパネ3連メーター+コンソールボックス2連メーターから、インパネ6連メーターに変更されました。その他、ラジオやヒーターなどが標準装備されないスパルタンな仕様は前期型同様でした。
そして、1972年9月にスカイラインシリーズがフルモデルチェンジにより4代目モデルに移行した事に伴い、2000GT-Rは一旦生産終了となりました。総生産台数は前期型の832台より多い1,197台で、前期型よりも戦闘能力がアップした為レースでもそれまで以上の活躍を見せました。