いすゞ自動車は1981年9月、乗用車のコンポーネンツを用いたSUVの先駆けとなるモデル「ロデオビッグホーン」を発売しました。同社がこのカテゴリーに参入するのは「ユニキャブ」が生産終了となって以来7年ぶりのことで、ユニキャブがFR方式を採用した雰囲気重視のレジャービークルであったのに対し、パートタイム4WD方式採用の本格派クロスカントリー型モデルとなりました。
2ドア・4ナンバー車のみでスタート
ボディタイプは当初、2ドアメタルトップと2ドアソフトトップのラインナップで、それぞれにショートホイールベース仕様とロングホイールベース仕様が設定されました。また、当初は全車商用4ナンバー登録でした。スタイリングはスクエアかつ無骨なもので、フロントマスクは英国製の高級SUV「レンジローバー」を彷彿とさせる意匠が備わっていました。
ボディサイズは全長4,120~4,470mm×全幅1,650~1,760mm×全高1,815~1,845mmで、ホイールベースはショートホイールベース仕様が2,300mm、ロングホイールベース仕様が2,650mmでした。エンジンは当初、2L直4ガソリンNAのG200型(最高出力105ps)と2.2L直4ディーゼルNAのC223型(最高出力73ps/最大トルク14.2kgm)が用意されました。
車名変更とともに4ドア車やターボ車を追加
組み合わせられるトランスミッションは、当初は4速MTでした。サスペンション形式はフロントがダブルウィッシュボーン/トーションバー式、リアがリジッド・アクスル/リーフ式で、ブレーキはフロントにディスク式、リアにドラム式が採用されました。その後1984年1月に車名が「ビッグホーン」に変更されるとともに、乗用5ナンバーのワゴンが追加されました。
同時に、C223型ディーゼルターボエンジン(最高出力87ps/最大トルク18.7kgm)搭載車が追加されました。次いで1985年6月、ロングホイールベース仕様に4ドア車が追加されました。同時に、ガソリンエンジンが4ZC1型(最高出力105ps/最大トルク16.6kgm)に置換されたほか、トランスミッションが全車5速MTに変更されました。
大排気量エンジンを追加
続いて1987年1月実施のマイナーチェンジによりフロントまわりの意匠が変更されるとともに、サスペンションの改良が図られました。追って同年10月、2.8L直4ディーゼルターボエンジン(最高出力110ps/最大トルク23kgm)搭載の「イルムシャー」が、さらに1988年11月には、2.6L直4ガソリンNAエンジン(最高出力120ps/最大トルク20kgm)搭載の「イルムシャーG」が追加されました。
次いで1989年12月に実施された一部改良の際、4速トルコン式AT仕様が追加されるとともに、2Lガソリン/2.2Lディーゼルエンジンが廃止されました。そして1991年12月にフルモデルチェンジが実施され、2代目モデルに移行しました。
後継モデル:2代目いすゞ ビッグホーン