アルファロメオは2003年3月のジュネーブ・ショーで、新型3ドアクーペ「GT」を発表しました。主に小型セダン「156」のコンポーネンツを使用しつつ、フロントフェンダーやドア、ダッシュボードなどはハッチバック車「147」のものが流用されました。同時代のスポーツクーペ「GTA」や「ブレラ」と異なり、グランツーリスモ的な性格が与えられていました。
ベルトーネが開発・生産を担当
企画・開発から生産に至るまで一貫してカロッツェリア・ベルトーネの手に委ねられ、スタイリングは優雅なボディラインと共に、ハッチバックタイプながらボディ後部に小さなノッチが備わるのが特徴でした。又、クーペでありながら室内は4人の大人が無理なく乗車出来る居住性が備わる他(乗車定員は5人)、リアシートを倒すと156スポーツワゴン並みのカーゴスペースが出現しました。
ボディサイズは全長4,495mm×全幅1,765mm×全高1,375mmで、156よりも若干長く低いディメンションとなり、ホイールベースは共通の2,595mm、車両重量は1,320~1,410kgでした。サスペンション形式は147/156と同様のフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:マクファーソンストラット式を踏襲し、フロントがベンチレーテッド型の4輪ディスクブレーキや、FFのみが設定される駆動方式も147/156と同一でした。
エンジンは4種類
搭載エンジン及びグレードは、1.8L直4DOHC (最高出力140ps/最大トルク16.6kgm)搭載の「1.8TS 16V」、2L直4直噴DOHC (最高出力165ps/最大トルク21kgm)搭載の「2.0JTS」、3.2L V6DOHC(最高出力240ps/最大トルク30.6kgm)搭載の「3.2V6」のガソリンモデル3タイプに、1.9L直4DOHCディーゼル・ターボ(最高出力150ps/最大トルク31.1kgm)搭載の「1.9マルチジェット16v」を加えた全4タイプでした。
トランスミッションは、「1.8TS 16V」と「1.9マルチジェット16v」には5速MTが、「2.0JTS」には5速MT及び5速AMT「セレスピード」が、「3.2V6」には6速MTが組み合わせられました。この内トップグレードの「3.2V6」は、最高速度243km/h・0-100km/h加速6.7sという優れた動力性能を持っていました。
安全装備は、SRSデュアル&サイド&ウィンドーエアバッグシステム、VDC(横滑り防止装置)、ASR(アンチスリップ・レギュレーション)、MSR(エンジンブレーキ・コントロール)、HBA(ブレーキアシスト)が採用されるなど、非常に充実したものでした。又、インパネにマルチファンクションディスプレイが備わる他、BOSE製サウンドシステムも用意されました。
日本市場には、2004年6月に「2.0JTSセレスピード」「2.0JTSセレスピード エクスクルーシブ」「3.2V6 24V」の3タイプの導入が開始されました。そして2008年8月に「3.2V6 24V」がカタログ落ちした後は、2Lエンジン搭載の様々な限定車を設定しながら2011年8月まで販売が継続されました。