フォルクスワーゲンは1988年、フォルクスワーゲン渾身のFFスポーツとなる「コラード」を発売しました。既に市場で一定の評価を得ていたスポーツクーペ「シロッコ」が雰囲気を優先したモデルであったのに対し、コラードは「ゴルフⅡ」の基本コンポーネンツを流用しながらも、「ポルシェ・944」に匹敵する走行性能を持つ本格的スポーツモデルでした。
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可変リアスポイラーを装備
プラットフォームはゴルフⅡ用のA2プラットフォームがベースで、カルマン社の手により架装されるボディは、シロッコ同様2+2シーター仕様の3ドアハッチバッククーペでした。エクステリア・デザインは社内デザインセンターにより手掛けられ、Cd値0.32を実現したウェッジシェイプのフォルムと、リアに備わる速度感応式可変スポイラーが特徴でした。
ボディサイズは全長4,050mm×全幅1,675mm×全高1,330mmで、ゴルフⅡよりも全長が65mm長く、全幅は10mmワイドで全高が85mm低いワイド&ローなディメンションでした。ホイールベースは、ゴルフⅡより70mm長い2,470mmに設定されました。サスペンション形式は、ゴルフⅡ同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:トレーリングアーム式が採用されました。
又、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が奢られた他、ABSが標準装備されました。駆動方式はゴルフ同様FFで、エンジンは当初、「Gラーダー」と呼ばれるメカニカルスーパーチャージャーが備わる1.8L直4SOHC(最高出力160ps/最大トルク22.9kgm)が搭載されました。トランスミッションは5速MTが組み合わせられ、最高速度225km/h・0-100km/h加速8.3sの動力性能を発揮しました。
新車情報’90 フォルクスワーゲン コラードG60
更に高性能なV6エンジン車を追加
グレードは「G60」のみのモノグレード設定で、装備面ではフロント/リアフォグランプや本革巻きステアリングホイール、EDS(エレクトリック・デファレンシャルロック・システム)などが採用されました。そして1991年にフェイスリフトが実施されると同時に、2.9L V6SOHC NAエンジン(最高出力190ps/最大トルク25kgm)を搭載する「VR6」が追加されました。
トランスミッションは5速MT又は4速トルコン式ATが組み合わせられ、MT仕様はG60を凌ぐ最高速度233km/h・0-100km/h加速6.9sの動力性能でした。次いで1992年に、「ゴルフGTI 16V」用の2L直4DOHC NAエンジン(最高出力136ps/最大トルク18.4kgm)を搭載する「16V」が追加されました。5速MTを介しての動力性能は、最高速度210km/h・0-100km/h加速9.5sでした。
一方で、それと入れ換えられる形でG60がカタログ落ちしました。その後、1994年に16Vがラインナップから外され、残るVR6も1995年をもって生産終了となりました。後継モデルが発売される事はなく、コラードの車名は1代限りでラインナップから消滅しました。日本市場においては1990年7月にG60の導入が開始され、1992年7月にVR6が、1993年1月に16Vが追加されました。
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