三菱重工業は1968年7月に、「コルトトラック」をベースとした小型商用車「デリカ」を発売しました。まずクラス初の3人乗りを実現したキャブオーバー型トラックが登場し、翌1969年4月にワンボックス型ボディ採用モデルとして6人乗りの「ライトバン」とパネルバン仕様の「ルートバン」、そして9人乗りの乗用モデル「コーチ」が追加されました。追って低床仕様のみだったトラックに高床仕様が設定されました。
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駆動方式はFRを採用
スタイリングは、丸型2灯式ヘッドランプとベンチレーター開口部が備わる丸みを帯びたフロントマスクが特徴でした。駆動方式は、2年前にデビューしたライバルの「マツダ・ボンゴ」がRRを採用したのに対し、コンベンショナルなFRが採用されました。エンジンは、小型乗用車「コルト1100」に搭載されていた1.1L直4OHVガソリンのKE44型(最高出力58ps)が採用されました。
トランスミッションは4速コラム式MTが組み合わせられ、最高速度115km/hの性能でした。そして1970年に、製造販売会社が三菱重工業から独立した三菱自動車工業に変更されると共に、エンジンの最高出力が62psに向上しました。次いで1971年10月/11月のマイナーチェンジで「デリカ75」となり、フェイスリフトやバン系のテールゲートのデザイン変更が実施されました。
キャンパー仕様モデルを追加
同時にエンジンが「ギャランクーペFTO」に搭載されていた1.4L直4OHVの4G41型「ネプチューン」(最高出力86ps/最大トルク11.7kgm)に置換され、最高速度が130km/hに向上しました。又、ライトバンをベースにボディをハイルーフ化し、大人4人+子供1人の宿泊を可能した「キャンピングバン」(乗車定員は6人)が追加されました。
その他、最大積載量がトラックは600kgから750kgに、ライトバン/ルートバンは500kgから600kgに増やされました。次いで1974年11月実施の2度目のマイナーチェンジにより「デリカ1400」シリーズに移行、丸型4灯式ヘッドランプの採用などによりフロントマスクが一新されると共に、三角窓が廃止されました。
続いて1975年12月に、エンジンが昭和51年排出ガス規制適合型(最高出力82ps)に置換されると共に、コーチが廃止されました。次いで1976年11月に、トラックにホイールベースと荷台を延長した1t積みモデルが追加され、翌1977年11月にはボディカラーやリアバンパーの意匠が変更されると共に、エンジンが最高出力78psにデチューンされました。
そして1979年6月にフルモデルチェンジが実施され、2代目L系に移行しました。