ジャガー・カーズは1955年10月、コンパクトな新型4ドアサルーン「2.4」を発表しました。ボディサイズが大型化した主力サルーン「マークⅦ」では吸収出来なくなったユーザー層を獲得する為に開発されたモデルで、欧州及びアメリカ市場で高い人気を獲得しました。後に改良型の「Mk2」がリリースされてからは、初期方は「Mk1」と呼ばれるようになりました。
モダンなスタイリング
スタイリングは戦前型の名残を残していたマークⅦに対し、フラッシュサイド・フルワイズのボディシェルや曲面ガラスの採用により、遥かにモダンな雰囲気を醸していました。ボディサイズは全長4,590mm×全幅1,700mm×全高1,460mmで、マークⅦよりもそれぞれ400mm×150mm×140mm小さく、ホイールベースは320mm短い2,730mmに設定されていました。
又、ジャガー初となるモノコックボディの採用により、車両重量は400kg程軽い1,270kgに抑えられていました。サスペンション形式は、フロントにマークⅦ同様のダブルウィッシュボーン/トーションバー式が、リアにはそれとは異なるトレーリングリンク+ラジアスアーム/リーフ・リジッド式が採用されました。
エンジンは当初、マークⅦに搭載される3.4L直6DOHC をベースに排気量を2.5Lに縮小したユニットが採用されました。2基のソレックキャブレターを装備し、最高出力114ps/最大トルク19.4kgmのスペックでした。トランスミッションは4速MTが標準で、オプションでOD付きが用意されました。ブレーキは4輪ドラム式で、ステアリング形式はリサーキュレーティング・ボール式が採用されました。
そして2年後の1957年のジュネーブ・ショーにおいて、前述の3.4Lエンジン(最高出力213ps/最大トルク29.9kgm)を搭載し、強化されたフロントサスペンションや専用のエクステリアが備わる上級モデル「3.4」が追加されました。又、このモデルにオプション設定されたフロント・ディスクブレーキと3速トルコン式ATは、翌1958年に2.4でも選択する事が出来るようになりました。
内外装を一新したMk2に移行
次いで1959年10月にビッグマイナーチェンジが実施され、新デザインの内外装と拡大されたトレッドを持つ「2.4/3.4Mk2」に移行しました。エクステリア面では、プレス製だったドア窓枠がクローム仕上げのサッシュとなった他、ウィンドウエリアの拡大、フォグランプの新設やテールランプの大型化などのリファインが行われました。
一方インテリア面では、インパネの中央に設けられていたメーター類がドライバー正面に移設された他、ステアリングホイールやシートの意匠も刷新されました。更に上級モデルとして、「マークIX」譲りの3.8L直6DOHCエンジン(最高出力223ps/最大トルク33.1kgm)を搭載し、4輪ディスクブレーキが備わる「3.8Mk2」が追加されました。
そして1967年、改良型の「240/340」にバトンタッチして生産終了となりました。