フランスの自動車メーカーであるアルピーヌは、ルノー傘下に収まる前の1971年のジュネーブ・ショーにおいて、1963年にリリースした「A110」の後継モデルとなる「A310」を発表しました。RRの駆動方式やFRP製ボディなどA110の特徴を受け継ぎながらも、ピュアスポーツカー路線からグランツーリスモ路線へと舵が切られたモデルとなっていました。
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大きく重くなったボディ
ボディタイプは、カブリオレも用意されたA110と異なりフィクスドヘッドボディのクーペのみの設定でした。スタイリングは、丸みを帯びたフォルムのA110から一転、直線基調のシャープかつモダンなフォルムに変貌を遂げました。又、リアに巨大な面積を持つガラスハッチが設けられた事も特徴でした。室内はA110クーペ同様、ミニマムなスペースのリアシートが備わる2+2仕様でした。
ボディサイズは全長4,180mm×全幅1,640mm×全高1,150mmで、A110クーペからそれぞれ330mm×120mm×20mm拡大されました。ホイールベースは2,270mmで、これも170mm延長されていました。それに伴い車両重量も大幅に増加、A110の代表的グレードである1600Sが680kgであったのに対し、840kgとなっていました。
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アルピーヌ A310の走行シーン
4輪ダブルウィッシュボーンサスを採用
サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン式で、リアがA110のセミトレーリングアーム式から変更されていました。リアに搭載されるエンジンは、ルノーのスポーツクーペ「17TS」用の1.6L直4OHVをベースに圧縮比を高めると共に、電子燃料噴射装置に替えウェーバー・ツインキャブレターを装着したものが採用されました。
アウトプットは最高出力125hp/最大トルク14.9kgmで、5速MTを介して最高速度211km/h・0-60mph加速8.1sの動力性能を発揮しました。同じエンジンを搭載するA110・1600Sと比較すると、最高速度で7km/h上回る反面、0-60mph加速は1.8s遅くなっていました。又、ブレーキはA110と同様の4輪ディスク式ながら、フロントがベンチレーテッド型にアップグレードされていました。
その後1974年にボッシュDジェトロニック電子燃料噴射装置が採用され、アウトプットが最高出力122hp/最大トルク14.8kgmとなりました。次いで1976年、エンジンがルノーの実用車「R16TX」用をベースとした1.65L直4OHVウェーバー・シングルキャブレター仕様に置換されました。アウトプットが最高出力94hp/最大トルク13.1kgmへと大幅にドロップした為、最高速度も192km/hに低下しました。
V6エンジン搭載で性能アップ
1976年にフェイスリフトが実施され、「A310V6」に移行しました。エンジンがプジョー/ルノー/ボルボ3社共同開発による2.7L V6SOHCソレックス・ツインキャブレター仕様に置換され、最高出力148hp/最大トルク20.7gmへと大幅なスペックアップを果たしました。車両重量は980kgまで増加したものの、最高速度は初期型を凌ぐ220km/hに達しました。
外観面ではヘッドランプ廻りの意匠が変更されると共に、前後にスポイラーが追加された事が特徴でした。次いで1982年、専用デザインの前後スポイラーやサイドスカート、オーバーフェンダーが備わるボディに、2.8L V6SOHCウェーバー・ツインキャブレター仕様エンジン(最高出力193hp)を搭載する「GT」が追加されました。そして1985年にフルモデルチェンジが実施され、2代目「アルピーヌ V6」に移行しました。
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