ポルシェとして初の4人乗りセダンである「パナメーラ」は、2009年3月に受注が開始されました。ワールドプレミアは同年4月に開催された上海モーターショーで行われ、日本では同年11月開催の名古屋モーターショーで初公開されました。エンジンはSUV「カイエン」と共通で、同様にハイパフォーマンスグレードやハイブリッド/プラグインハイブリッド車も設定されました。
ボディ形状はテールゲートを備える5ドアハッチバックで、独特なフロントマスクなどセダンながら一目でポルシェと分かるスタイリングが備わります。ボディサイズは全長4,970mm/5,165mm×全幅1,930mm×全高1,420mm/1,425mm、ホイールベースは2.920mm/3,070mmで、ポルシェのラインナップで最も全長とホイールベースが長い車種となっています。車両重量は、1,800~1,970kgとなります。
グレードはまず3種類でスタート
サスペンション形式は、カイエンなどと同様の前:ダブルウィッシュボーン式/後:マルチリンク式で、駆動方式はFRとフルタイム4WDが設定されます。発売当初日本仕様に設定されたエンジン及びグレードは、4.8L V8NA(最高出力400ps/最大トルク51kgm)搭載のFRモデル「パナメーラS」と同4WDモデル「パナメーラ4S」、4.8L V8ターボ(最高出力500ps/最大トルク71.4kgm)搭載の4WDモデル「パナメーラターボ」でした。
トランスミッションは欧州仕様に用意される6速MTは設定されず、全車7速PDK(DCT)との組み合わせでした。又、ポルシェとして初となるアイドリングストップ機構が装備されました。そして翌2010年3月に、3.6L V6 NAエンジン(最高出力300ps/最大トルク40.8kgm)搭載のFRモデル「パナメーラ」と同4WDモデル「パナメーラ4S」が追加されました。トランスミッションは7速PDKの他、前者には6速MTが設定されました。
次いで2011年3月に、「パナメーラターボ」をベースに専用の内外装を備えると同時に、4.8Lターボエンジンを最高出力550ps/最大トルク76.5kgmまでチューンナップして搭載する「パナメーラターボS」が追加されました。又、専用装備としてコーナーリング時のロールを制御する「PDCC」や回頭性を高める「PTV Plus」、車速感応式の「サーボトロニック・ステアリングシステム」が備わります。
次いで同年6月に、3L V6スーパーチャージドエンジンとモーター、そして8速トルコン式ATを組み合わせたパラレル式ハイブリッドシステム(システム最高出力380ps/システム最大トルク59.1kgm)を搭載する「パナメーラSハイブリッド」が追加されました。続いて同年11月に、「パナメーラS」をベースに4.8L NAエンジンを最高出力430ps/最大トルク53kgmまでチューンナップして搭載する「パナメーラGTS」が追加されました。
M/Cでパワートレインを改良
そして2013年4月にマイナーチェンジを実施し、エクステリア面ではフロント廻りやリア廻りのデザインが変更されると共に、インテリア面ではマルチファンクションスポーツステアリングホイールが採用されました。又、装備面も強化されオートマチックテールゲートが備わった他、安全運転支援システムとしてレーンチェンジアシストシステムなどが採用されました。
同時に、「パナメーラSハイブリッド」に代り、プラグインハイブリッド化すると共にスペックをシステム最高出力416ps/システム最大トルク60.2kgmまで向上させた「パナメーラS-Eハイブリッド」が設定された他、「パナメーラS」及び「パナメーラ4S」のエンジンが3.6L V6ツインターボ(最高出力420ps/最大トルク53kgm)に置換され、動力性能と燃費が向上しました。
又、「パナメーラ4S」及び「パナメーラターボ」に、全長を195mm、ホイールベースを150mm延長し後席の居住性を高めた新グレード「エグゼクティブ」が追加されました。続いて同年11月に、一旦カタログ落ちした「パナメーラターボS」も遅れてマイナーチェンジを実施、ロングボディ版「パナメーラターボSエグゼクティブ」と共にラインナップに加わりました。エンジンのスペックは、最高出力570ps/最大トルク81.6kgmに向上しました。