クライスラー(現フィアット・クライスラー)は1997年、ダッジ・ブランドより「ラッシュチャージャー」の後継モデルとなる新型SUV「デュランゴ」を発売しました。ベースとなったのはピックアップトラックの「ダッジ・ダコタ」で、独立したフレームを持つボディ構造やリジッド・リーフ式のリア・サスペンションなどが踏襲されました。
プラットフォームはジープ・チェロキーと共通
プラットフォームはジープ・ブランドの「チェロキー」や「グランドチェロキー」とも共通の「クライスラー・DNプラットフォーム」で、ボディタイプは5ドアのみの設定でした。エクステリア・デザインは、ラッシュチャージャーよりも丸みを帯びたフォルムに変貌するとともに、フロントマスクがダコタと共通のデザインに一新されました。また、ルーフ上にはラックが標準装備されました。
ボディ・ディメンションは全長4,910mm×全幅1,820mm×全高1,850mm、ホイールベース2,950mmで、ラッシュチャージャーから全長が短縮された一方、ホイールベースは延長されました。駆動方式は当初は副変速機付パートタイム4WDのみの設定で、エンジンはまず3.9L の「マグナムV6」(最高出力177ps/最大トルク31.1kgm)と5.2L の「マグナムV8」(最高出力233ps/最大トルク41.8kgm)が用意されました。
トランスミッションは、ともに4速トルコン式ATが組み合わせられました。一方室内は、ダコタと共通のインパネやフロントシートが採用されたほか、8人乗り仕様には後ろ向きのサードシートが装備されました。グレード体系は、当初ベーシックグレード「SLT」と豪華グレード「SLTプラス」の2タイプのラインナップでした。
過給器付の限定モデルをリリース
その後、同年に5.9LのマグナムV8エンジン(最高出力248ps/最大トルク45.8kgm)を搭載する4WDモデル「R/T」が追加されました。次いで1999年に2WD(FR方式)仕様が追加されるとともに、5.9L V8スーパーチャージド・エンジン(最高出力365ps/最大トルク57kgm)を搭載し、専用のバンパーやサスペンション、ホイール&タイヤが備わる限定モデル「シェルビーSP360」がリリースされました。
また、ヒーテッド・ドアミラーやオーディオコントロール付ステアリングホイールなどがオプション設定されました。追って2000年には、3.9L V6および5.2L V8エンジンに代わり、4.7LのマグナムV8エンジン(最高出力279ps/最大トルク40.8kgm)が設定されました。同時に、新グレードとして「スポーツ」と「SXT」が追加されました。
続いて2001年にインテリアのデザインが一新されるとともに、デュアルゾーンエアコンが標準装備され、翌2002年にはSRSサイドカーテンエアバッグシステムがオプション設定されました。そして2003年にフルモデルチェンジが実施され、2代目モデルに移行しました。