フォルクスワーゲンAGは2006年2月、ドイツ国内においてBセグメント・コンパクトカーの4代目「ポロ」をベースとした派生モデル「クロスポロ」を発売、日本市場にも同年9月に上陸を果たしました。プラットフォームやパワートレイン、ボディシェルなど基本コンポーネンツをポロから流用しながら、SUVテイストのエクステリアに仕立てられたことが特徴でした。
駆動方式はFFのみ
ボディタイプは5ドアハッチバックで、エクステリア・デザインはポロのイメージを受け継ぎながらも、アンダープロテクター風の意匠を持つ専用前後バンパーや、樹脂製のホイールアーチ&サイドシルエクステンション、ルーフレール、17インチの大径アルミホイールの採用などにより差別化が図られていました。
ボディサイズは全長3,920mm×全幅1,670mm×全高1,535mmで、ポロからそれぞれ5mm×5mm×70mm拡大されていました。ホイールベース2,470mmで、ポロと共通でした(※いずれも日本仕様の数値)。駆動方式はポロ同様FFのみの設定で、SUV仕立てのモデルでありながらフルタイム4WDは最後まで用意されませんでした。
日本仕様車のパワートレインは1種類
日本仕様車のパワートレインは、ガソリン1.6L直4DOHC NAエンジンとティプトロニック付き6速トルコン式ATの組み合わせが採用されました。10.15モード燃費は、同じパワートレインを搭載する「ポロ・1.6スポーツライン」よりも0.2km/L劣る14.4km/Lでした。ブレーキはフロントがベンチテーテッド型、リアがソリッド型の4輪ディスク式で、タイヤは215/40R17サイズが採用されました。
サスペンションは、ポロ同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:トーションビーム式の形式を踏襲しながら、強化が図られた専用品が採用されました。ロードクリアランスはポロよりも20mm大きく、悪路走破性のアドバンテージにつながっていました。安全装備はポロと共通で、SRSデュアル&サイドエアバッグシステムやEBD付きABS、横滑り防止装置「ESP」などが採用されました。
快適・豪華装備面では、日本仕様車にはフルオートエアコンやCDプレーヤー付きカーオーディオシステム、本革巻きステアリングホイール、BBS製アルミホイールなどが標準装備されたほか、HDDナビゲーションシステムがオプション設定されました。ボディカラーは全5色で、ブラック系のほかにレッド系やオレンジ系、ブルー系、ライトグリーン系といったヴィヴィッドなカラーが用意されました。
そして2009年にベースモデルのポロがフルモデルチェンジされたことにともない、追って2010年にクロスポロも新型に移行しました。