ランボルギーニ・ミウラは、「350GT」「400GT」に続く同社の市販モデル第3弾として1966年のジュネーブショーでデビューを飾り、翌1967年に販売が開始されました。従来の350GT/400GTがコンベンショナルなFR方式を採用したのに対し、ミウラでは市販車としては採用例の少なかったMR方式が採用され、大排気量ミッドシップスポーツカーの先駆けとなりました。
ガンディーニの手によるスタイリング
車体は、センターモノコックに前後のサブフレームを組み合わせたレーシングカーのような構造のフレームに、マルチェロ・ガンディーニのデザインによるボディが架装されました。スタイリングは、古典的なロングノーズ・ショートデッキのフォルムを持っていた350GT/400GTから一転し、如何にもミッドシップ車らしいプロポーションに変貌を遂げていました。
同時に、ポップアップ式ヘッドランプ採用よる低いノーズなど、流麗なシルエットを備えていました。ボディサイズは全長4,360mm×全幅1,780mm×全高1,080mm、ホイールベースは2,500mmで、350GT/400GTと比較すると全高が極端に低いディメンションが特徴でした。車両重量は、初期型のP400型の場合僅か980kgでした。サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーン式で、ブレーキは4輪ディスク式が採用されました。
池沢さとしさんによるミウラの解説
大排気量V12型エンジンを搭載
インテリアは、速度計と回転計がドライバー正面に、その他の6つのメーターがコンソールボックス上に配置される独特のデザインでした。ミッドに搭載されるエンジンは、400GTからキャリオーバーされた4L V12DOHCで、9.5:1の圧縮比から400GTを大幅に凌ぐ最高出力350hp/7,000rpm・最大トルク37.5kgm/5,100rpmのアウトプットを発生、5速MTを介しての最高速度は280km/hに達しました。
そして1968年12月に改良が施され、P400S型に移行しました。エンジンの圧縮比が10.4:1まで高められ、スペックが最高出力370hp/7,700rpm・最大トルク39kgm/5,500rpmに向上しました。同時に、オーバーヘッドコンソールとパワーウィンドウが採用されるなど装備が豪華になった為、車両重量は1,040kgに増加しました。又、オプションでエアコンの装着も可能となりました。
次いで1970年に、ディスクブレーキが4輪ともベンチレーテッド型にアップグレードされました。そして翌1971年3月のジュネーブショーで、圧縮比を10.7:1にアップするなどの改良によりアウトプットを最高出力385hp/7,850rpm・最大トルク40.7kgm/5,750rpmを高め、エクステリアデザインを一部変更したP400SV型が発表されました。車両重量は1,245kgまで増加したものの、最高速度は290km/hに到達しました。
ミウラの生産は、後継モデル「カウンタック」の量産化の遅れもあり1973年10月まで継続されました。