日産のBセグメントコンパクトカー「マーチ」の初代モデルは1982年にデビューし、1985年にターボエンジン搭載の高性能版「ターボ」が、更に1988年にダブルチャージャーエンジン搭載の競技専用車「R」が追加されました。そして1989年1月に、「R」と同じエンジンを搭載するロードゴーイングバージョンの「スーパーターボ」が発売されました。
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戦闘的なスタイリング
ボディは3ドアのみの設定で、ボンネットフード上のエアインテークや埋め込み型のフォグランプ、ルーフスポイラーなどにより、ベースモデルのプレーンなスタイリングに戦闘的な雰囲気が付加されていました。ボディサイズは全長3,735mm×全幅1,590mm×全高1,395mm、ホイールベースは2,300mmで、他のグレードと比較すると全幅が30mm拡大されていました。
車両重量は「ターボ」の720kg~740kg、「R」の740kgより重い770~780kgで、フロント荷重の大きさによりハンドリングはアンダーステア傾向の強いものでした。サスペンション形式は他のグレード同様フロントがストラット式、リアが4リンク・コイル式でした。タイヤは、他のグレードよりもワイドかつ扁平な175/65R13が採用されました。
日産 マーチ スーパーターボ ノスタルジック2デイズ2020展示車
モータースポーツを前提にしたエンジン
駆動方式は他のグレード同様FFで、エンジンは930cc電子燃料噴射式直4メカニカルスーパーチャージャー+ターボチャージャーのMA09ERT型でした。スペックは「R」と同一で、最高出力110ps/6,400rpm・最大トルク13.3kgm/4,800rpmのアウトプットを発生しました。リッター当たり118psに達する最高出力は、当時の市販車としては特出したものでした。
スペックを「ターボ」に搭載された987cc直4ターボのMA10ET型エンジンと比較すると、最高出力で34ps、最大トルクで2.5kgm凌ぐものでした。尚、排気量がベースモデルに搭載されるNAのMA10S型エンジン(こちらも987cc)やMA10ET型エンジンよりも小さいのは、モータースポーツ規約における過給係数から逆算し、1.6Lクラス内に収まるようボアを縮小した為でした。
又、出力特性は低回転~中回転域ではメカニカルスーパーチャージャーが、高回転域ではターボチャージャーが作動し、全域でパワフルさを発揮しました。同時に、二つの過給器はシームレスに繋がる為、ドライバビリティーも良好でした。トランスミッションは、NAエンジン搭載の標準グレードや「ターボ」と同様、5速MTと3速トルコン式ATが用意されました。
MT車のギアレシオは同じく5速MTを採用する「R」とは異なり、ワイド化が図られると共にファイナルレシオもハイギアード化された為、10モード燃費は1km/L上回る16km/Lをマークしました(※AT車は12.2km/L)。インテリアは、3連メーターや本革ステアリングが備わるスポーティーなものでした。又、エンジンルーム内のスペースの関係でパワーステアリングは省略されていました。
そして1992年1月にマーチがフルモデルチェンジを受け2代目に移行した際、ホットモデルはラインナップされず、スーパーターボは1代限りで生産終了となりました。
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