三菱自動車は1981年の東京モーターショーで、コンパクトカー「ミラージュ」(初代)をベースとしたハッチバッククーペのプロトタイプ「XP」を発表しました。そして翌1982年2月に、「コルディア」と名付けられた市販バージョンが4ドアセダンの姉妹車種「トレディア」と共にデビューました。実質的に、1981年3月に生産終了となった「ランサーセレステ」の後継モデルでした。
シャープなデザインのフォーストバックボディ
当初、カープラザ店では「コルディアXP」、ギャラン店では「コルディアXG」として発売され、直線基調のシャープなファーストバックボディは基本的に共通であったものの、フロントマスクが異なりXPはグリルレス風のデザインが採用されていました。ボディサイズは全長4,275mm×全幅1,660mm×全高1,320mmで、全高を除きランサーセレステより一回り拡大されていました。
ホイールベースは2,445mmで、ランサーセレステやベースモデルのミラージュよりも若干長く、車両重量はトップグレードで960kgでした。サスペンション形式は、ミラージュと同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:トレーリングアーム式による4輪独立懸架を踏襲し、駆動方式は当初FFのみが設定されました。
三菱 コルディアのCM
ターボエンジンもラインナップ
エンジンは、発売当初1.6L直4DOHC NA(最高出力92ps/最大トルク12.5kgm)及びターボ(最高出力115ps/最大トルク17kgm)の2種類のG32B型と、1.8L直4DOHC NAのG62B型(最高出力100ps/最大トルク15kgm)の全3種類がラインナップされました。トランスミッションは、1.6Lターボ車には副変速機付きの4速MTが、1.6L/1.8L NA車には一般的な4速MT及び世界初の電子制御式3速トルコンATが組み合わせられました。
インテリア面では、ターボエンジン搭載グレード「1600GSR-S」に世界初の液晶式デジタルメーターが採用された事がトピックでした。そして1983年7月にマイナーチェンジが実施され、車名からXP/XGのサブネームが廃止されると共に、フロントグリルの意匠がXGをベースにリデザインしたものに一本化されました。
同時にターボ車のパワートレインを一新、エンジンが1.8L直4DOHC ECI仕様のG62B型(最高出力135ps/最大トルク20kgm)に置換された他、トランスミッションが副変速機無しの5速MTに変更されました。又、エクステリア面では、ボンネットフード上のエアインテークが廃止されました。次いで1984年10月にターボ車がパートタイム4WD方式に変更されると共に、1.6L/1.8L NA車はカタログ落ちしました。
そして1987年に後継モデルの発売もなく生産終了となり、コルディアの車名は一代限りで消滅しました。販売面では、スペシャリティクーペとしては地味なスタイリングなどが災いして振るわず、5年間での総生産台数は3万3千台程度に留まりました。