初代モデルが1970年にデビューしたトヨタのミディアムクラス「カリーナ」は、1988年5月にフルモデルチェンジを実施し5代目となりました。それまでの3代目FRモデルと4代目FFモデルの併売体制から、FF方式を採用したこのモデルに一本化されると同時に、ボディのバリエーションも減らされシンプルなグレード体系になりました。メカニズム面では、ガソリン車が全車DOHC化された事が特徴でした。
丸みを帯びたスタイリングに変貌
ボディのバリエーションは3代目モデルに設定のあったクーペが廃止され、4ドアセダンと5ドアバン及びサーフ(ステーションワゴン)の3種類となりました。スタイリングは、3代目・4代目の角張ったイメージから一転し、曲線を取り入れたボディラインに変化しました。ボディサイズは全長4,380mm×全幅1,690mm×全高1,370mmで、4代目モデルに対しそれぞれ30mm×20mm×5mm拡大されました。
ホイールベースは4代目より10mm長い2,525mmとなり、サスペンションは4代目同様の4輪ストラット式が採用されました。エンジンは、1.5Lと2種類の1.6L、そして1.8Lの計4種類の直4 DOHCガソリンNAユニットと、2L直4 SOHCディーゼルNAユニット1種類の全5種類が用意されました。ガソリンユニットは3代目・4代目から全面的に刷新され、ディーゼルユニットは4代目と同一の物でした。
詳細は、ガソリンが1.5Lシングルキャブ仕様の5A-F型(最高出力85ps/最大トルク12.5kgm)、1.6Lインジェクション仕様の4A-FE型(最高出力100ps/最大トルク14kgm)、同4A-GE型(最高出力120ps/最大トルク14.5kgm)、1.8Lシングルキャブ仕様の4S-Fi型(最高出力105ps/最大トルク15.2kgm)で、ディーゼルは2Lの2C-L型(最高出力73ps/最大トルク13.5kgm)でした。
トランスミッションは従来設定のあった4速MTと3速トルコン式ATが廃止され、5速MTと4速トルコン式ATの2種類となりました。インテリアは、インパネが従来の直線基調のデザインから一転し、曲線的で運転席を取り囲むようなデザインに変更されました。そして同年12月に、セダンに1.6L 4A-FE型エンジンを搭載するセンターデフ式フルタイム4WDモデルが追加されました。
5代目カリーナのCM
M/Cで全車インジェクション仕様に
次いで1989年9月に、1.6L 4A-GE型エンジンがハイオクガソリン仕様に変更され、スペックが最高出力140ps/最大トルク15kgmに向上しました。続いて1990年9月にマイナーチェンジを実施し、フロントグリルとリアコンビネーションランプの意匠が変更されると共に、1.6Lの4A-FE型エンジンが廃止され、4A-FHE型(最高出力110ps/最大トルク14.5kgm)に置き換えられました。
同時に、1.5L車のエンジンがインジェクション仕様の5A-FE型(最高出力94ps/最大トルク13.1kgm)に、1.8L車も同じくインジェクション仕様の4S-FE型(最高出力115ps/最大トルク16kgm)に置換され、全車フューエルインジェクション化されました。更に、サーフに2C-L型ディーゼルエンジン搭載車が追加されました。そして1992年8月にフルモデルチェンジを行い、6代目モデルにバトンタッチされました。
先代モデル:4代目カリーナ
後継モデル:6代目カリーナ