ロータスは1975年10月、前年に同社初のフル4シーターモデルとして発売した2代目「エリート」をベースに、ボディをファーストバック化し2+2シーター仕様としたニューモデル「エクラ」をデビューさせました。シャシーやパワートレインなど基本コンポーネンツを2代目エリートと共有する他、同様にラグジュアリー路線を踏襲し豪華な装備が採用されました。
エリートからボディ後半部分を変更
車体の構造は、2代目エリート同様のXバックボーンフレームとFRP製ボディの組み合わせが採用され、サスペンション形式も同一のフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:トレーリングアーム/ラテラルリンク式が踏襲されました。スタイリングは、センターピラーより前の部分はエリートと共通で、それより後の部分がリデザインされました。
ボディサイズは全長4,565mm×全幅1,815mm×全高1,200mm、ホイールベースは2,485mmで、エリートと比較すると全高が30mm低くなった以外は同一の数値でした。車両重量は、「シリーズ1」と呼ばれる初期型の場合1,120kgで、2代目エリートよりも80kg軽量化されました。又、フロント:ディスク式/リア:ドラム式のブレーキや、205/60VR14のタイヤも共通でした。
3種類のトランスミッションを設定
エンジンも2代目エリートと同一で、シリーズ1には2L直4DOHC16バルブ・デロルトツインキャブレター仕様のロータス907型が搭載され、最高出力160hp/6,000rpm・最大トルク19.4kgm/4,900rpmのスペックにも変更はありませんでした。一方トランスミッションは、自社製の5速MTとボルグワーナー製3速トルコン式ATに加え、フォード製4速MTが追加されました。
装備面も2代目エリート譲りで、パワーウィンドウやカーステレオ、エアコンやパワーステアリング、熱線入りリアウィンドウがグレードにより設定されました。グレード体系は、下から4速MTの「520」、5速MTとアロイホイールが備わる「521」、エリート「502」と同様の装備を持つ「522」、エリート「503」と同じフル装備仕様の「523」の4種類が設定されました。
更に翌1977年、専用のボディカラーとアロイホイールが備わる新グレード「スプリント」が追加されました。そして1980年、2代目エリート同様にマイナーチェンジが行われ、「シリーズ2.2」に移行しました。エンジンが2.2Lのロータス912型に置換され、スペックが最高出力163hp/6,500rpm・最大トルク23kgm/5,000rpmとなりました。
同時に、サンルーフやリアスポイラーが備わる特別仕様車「リビエラ」が設定されました。エクラは、2代目エリート同様高価であった事が災いし、商業上はさほど成功しませんでした。そして1982年まで生産が続けられた後、後継モデルの「エクラ・エクセル」にバトンタッチされました。