1963年に初代モデルがデビューしたマツダの大衆車「ファミリア」は、1989年2月に4年ぶり6度目のフルモデルチェンジが実施され、7代目モデルに移行しました。プラットフォームが刷新されると同時にボディごとに異なったデザイン路線となり、特に5ドアハッチバックはサブネームの付加と共に斬新なスタイリングが採用されました。
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先代よりワイド&ローに
ボディタイプは3ドアハッチバックと5ドアハッチバックの「アスティナ」、そして4ドアセダンの3タイプのラインナップで、5ドアワゴンは6代目モデルのまま販売が継続されました。スタイリングは、ハッチバックとセダンは実用車的なフォルムが踏襲された一方、アスティナはリトラクタブルヘッドランプ採用による流麗なフォルムに変貌しました。
ボディサイズは、ハッチバックが全長3,995mm×全幅1,675mm×全高1,380mm、アスティナが全長4,260mm×全幅1,675mm×全高1,335mm、セダンが全長4,215~4,355mm×全幅1,675mm×全高1,375mmで、それぞれ先代よりワイド&ローなディメンションとなりました。又、ホイールベースは全車共通の2,500mmで、先代からは100mm延長されました。
サスペンション形式は先代同様の4輪ストラット式を踏襲し、駆動方式は当初FFのみが用意されました。エンジンは先代からのキャリオーバーで、当初1.3L直4SOHCのB3型、1.5L直4SOHC及びDOHCのB5型、1.6L直4DOHCのB6型のガソリン4種類と、1.7L直4SOHCディーゼルのPN型が用意されました。
最高出力/最大トルクはそれぞれ76ps/10.3kgm、91ps/12.4kgm、110ps/12.9kgm、130ps/14kgm、58ps/10.7kgmで、トランスミッションは1.3Lに5速MTと3速トルコン式ATが、それ以外に5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。グレード体系は、ハッチバック/セダンには下からクレール/ペパー(ハッチバックのみ)/インタープレー/サプリーム(セダンのみ)/インタープレーツインカム/GTがラインナップされました。
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マツダ ファミリアのCM
4WD車とターボ車を追加
一方、アスティナは1500/1500DOHC/1600DOHCのラインナップでした。そして同年8月、ハッチバック/セダンに先代にも設定のあったフルタイム4WD車が追加されました。グレードはB6型エンジン搭載のクレール/インタープレーと、1.8L直4DOHCターボのBP型エンジン(最高出力180ps/最大トルク24.2kgm)搭載のGT-Xがラインナップされました。
次いで1991年1月のマイナーチェンジにより、内外装の変更やグレード体系の見直しが行われました。同時にB5型エンジンがキャブレター仕様からEGI仕様に変更され、スペックが最高出力94ps/最大トルク12.5kmgに向上しました。更に、アスティナにNA仕様のBP型エンジン(最高出力135ps/最大トルク16kgm)を搭載する1800DOHCが追加されました。
1992年にはWRC参戦を意識したファミリア GT-Rを追加
1992年にはGT-Xをベースにターボ大型化、チタン製コンロッド採用などでパワーアップした1.8リッター直4DOHCターボ(最高出力210PS/6,000rpm・最大トルク25.5kgm/4,500rpm)を搭載するGT-Rを発売しました。マツダの経営状態の悪化によりワークスチームのWRC撤退が決まり、GT-Rのワークスでの活躍を見る事はありませんでしたが、プライベートチームによってラリーなどのレースシーンで活躍しました。
そして1994年6月にフルモデルチェンジが実施され、8代目モデルにバトンタッチされました。尚、3ドアハッチバック1.3L車のみエントリーモデルとしての役割が与えられ1996年10月まで生産が継続されました。
ファミリア アスティナ (1989-1994)の口コミ評価/新車購入インプレッション
私が購入して思い出に残っているのは、1992年式のマツダのファミリア・アスティナです。マツダのディーラーで新車で購入し、価格は150万円でした。選んだ理由は、非常にニッチなニーズに合致したからです。
結婚したけどスポーツっぽい車にしたい
そのニッチなニーズとは、私はその時30歳で結婚したばかりでした。妻も働いていて、子供はいませんでした。ですので、あまりファミリー、ファミリーした車にはしたくありませんでした。そして30歳にはなっていましたが、世間的にはオジさんの部類に入るとしても、自分としては若いつもりでいたので、スポーティーな車にしたい、少なくともセダンはオジさんぽくていやだと思っていました。
とは言えスポーツカーやクーペタイプにしてしまうには迷いがありました。2ドアだと両親などを乗せる時に不便だし、走り屋でもなかったので、それっぽい車は避けたかったという思いもありました。こういうニッチなニースに合致したのが、ファミリア・アスティナだったのです。スタイルはファミリアのホイールベースを少し伸ばして、車高を低くした感じのくさび型で、若さがありました。
アスティナ最大の特徴はリトラクタブル
試乗した時にも、座席の位置が低くて、乗っていて非常にスピード感を感じました。それでいて、4ドアなので両親を乗せてどこかに行くという用途にもあてはまりそうです。そして、何より1番気に入ったのは「リトラクタブルヘッドランプ」を採用していたことです。これは開閉型のヘッドランプで、普段はボディに入っていて、ライトをつけた時だけせりあがってくるタイプのものです。
アスティナのリトラクタブル・ヘッドライト
ポルシェやイタリアのスポーツカーなどで採用されている方式で、それが非常に格好良かったのです。それを買って、休みの日には夫婦で2人してあらゆる所にドライブしました。スポーティーな外観にも関わらず、車の上下の動きも少なく、乗っていて非常に快適で、どこまでも遠くに行けました。
乗り心地とスタイルがとにかく良かった点ですが、悪かった点は、あえて言うなら、ファミリアをベースにしているとは言え、スポーツタイプなので後部座席の乗り心地は今一つだったようで、両親を乗せて温泉に旅行に行った時には、両親の口から「また行きたい」という言葉が出なかったのは、そのせいだったと思います。10年乗って廃車にしましたが、今でも懐かしい車です。
ファミリア GT-X (7代目 1990)の口コミ評価/中古車購入インプレッション
私が幼稚園の時に、亡くなった祖父が所有していた車です。年式は平成2年です。亡くなってから20年ほどずっと祖父母の家の車庫の中に眠っていました。24歳の時に祖母が亡くなり、家の中のものを整理するときに、車のナンバーが残っていたので、この車をレストアして乗ることを決意しました。
車が動くまでに半年以上
実際に車が動くまでに半年以上も掛かりました。まず、所有者変更のための手続きのため、書類を探すのが大変でした。一連の手続きは全て自分で調べて行ったので、役所に印鑑や書類を書くことがとても手間が掛かりました。
次に、レストアの部品集めが大変でした。ディーラーでは当然、部品供給が終わっていたので、近くのレストア専門店にもって行って、やってもらいましたが、当時から希少車だったため、オークションなどで買い集め、直していくことに長い時間と手間がかかりました。
掛かった費用は約150万円
レストアに掛かった費用は約150万円でした。当時の資料から、新車価格は200万円くらいだったので、結構なお金を排出してしまったと感じました。でも、私が小さい頃に祖父にこの車に乗せてもらって、遊びに連れて行ってもらった記憶がかすかにある、とても思い入れのある車だったので、完成した時はとてもうれしかったです。
純正のシートに座った時に座高が低く、腰が痛くなってきそうだったので、レカロの専用シートに取り換えてもらいました。また、マフラーも純正からFUJITSUBOの中古マフラーに替えてもらいました。リアスポイラーもオリジナルのものを取り付けてもらいました。
加速は現代の車にも負けないくらい
乗ってみてですが、車体がだいたい1000kg、排気量が1800ccだったので、車重の割に排気量が大きかったので、加速は現代の車にも負けないくらい素晴らしいです。カタログ表示は180馬力ですが、乗っている感じでは200馬力以上あるかのように感じられます。
レストア車だけあって、燃費もあまり良くなく(約8km/L)、頻繁にエンジンの調子が悪くなったり、冬を中心にエンジンがかかりにくかったりすることはありました。途中でまた、50万円ほどかけて、オーバーホールしてからはほとんど不具合はなくなりましたが、一度パーツの交換が必要となると、修理に長い時間がかかるのが現実です。
旧車は、趣味として持ったほうがいいと感じました。今も私のセカンドカーとして車庫に停まっています。祖父の形見は多く持っていますが、今、その中でも最も大切なものです。
先代モデル:6代目ファミリア
後継モデル:8代目ファミリア
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