
スバル360 1958
私の叔父、母の弟に当たる人でしたが、私が小学生の頃に免許を取り。その頃爆発的に売れていた、スバル360を購入しました。得意満面の叔父に、従兄弟たちと乗せてもらい、どこへ行くとも無くドライブしたのが、所謂自家用車での私の初のお出かけでした。
自家用車を持つことがステータスだった時代
何と言っても自家用車を持つことがステータスだった時代です。それでも家々にはまだ車庫も無く、車は家の前の道路に置きっぱなし。大事に洗ったり手入れしたりしてるのを、通り掛かりでよく見ました。それでも車庫と言う選択肢はまだ無かった時代です、そして車の通行量もまだまだ少なく、道路に置かれていても警察官が目くじらを立てることも無い、そんな時代でした。
当時のCM (1967)
早々に自家用車に乗ると言う経験をさせてもらったのは、ラッキーではありました。叔父が言った言葉は今でも覚えています、「この車があれば、行きたいと思った所にすぐ行けるんだ。予約も何も必要なく、思ったらすぐに移動できるんだよ」と。今思い返してみても、本当に車を運転すること自体が大好きだった叔父です。

スバル360 1958
乗る側のマナーについても、色々とレクチャーしてくれました。
「助手席に座ったら、ドライバーを補助しなくてはいけない。横道から出る時は、言われなくても左側をチェックしなさい」
「後部座席の人は寝ていてもいいけれど、助手席に座ったら決して寝てしまってはいけない」
などなど。
おかげ様で、私自身は普通免許は取らなかったのですが、他の方の車の助手席に座った時など。「え?免許持ってないの、こういう気遣い出来るのって運転する人だけなんだけどな」お褒めの言葉を頂いたこともあります。私は実は子供の頃、遠足などで使う大型車(バス)が苦手で、多分ガソリンの匂いに酔ってしまったのでしょうが、車には苦手意識がありました。

スバル 360ヤングSS1968
一番記憶に残っているのは、あの小さな丸っこい姿
それが何故か、安定度は落ちるはずの叔父の車で、車酔いを起こした事は1回もありませんでした。信頼感の問題でしょうか、叔父の運転する車で出かけるのは本当に楽しかったです。スバル360は小型車でしたし、何年か後には買い換えられましたが。やはり一番記憶に残っているのは、あの小さな丸っこい姿です。
こんなバンタイプもあった
運転席に叔父が得意そうに座り、従兄弟たちと騒ぎながらドライブのためのドライブをした、あの小さな車。叔父は本当に車の好きな人で、年をとってからは潔く免許を返し。「危険だからな、年寄りは運転は止めておくさ」そう言って、どこか満足そうで、でもやはり寂しそうだった叔父も・・・昨年鬼籍に入りました。私も様々な車、多くの方の運転での車に乗りましたが。やはり最初に思いだす車の記憶は、叔父とスバル360なのです。